シェーファー/東京響/石坂団十郎 定期演奏会 ハイドン/ベルリオーズ
東京交響楽団 第514回定期演奏会ヘンリク・シェーファーはBPO時代のアバドのアシスタントをしていた、1968年生まれのドイツ人だそう。
1. ハイドン : 交響曲第92番ト長調「オックスフォード」Hob.I-92 2. ハイドン : チェロ協奏曲第2番ニ長調Hob.VIIb-2 3. バッハ : 無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1001 から サラバンド(アンコール) 4. バッハ : 無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1001 から ジーグ(アンコール) 5. ベルリオーズ : 幻想交響曲作品14a
チェロ:石坂団十郎(2,3&4)
ヘンリク・シェーファー指揮 東京交響楽団(1,2&5)
コンサートマスター:グレブ・ニキティン
2004年5月8日 18:00 サントリーホール 大ホール
まずはハイドンのオックスフォード。オケは対抗配置で10-8-6-4-3の編成。弦楽器は古楽風のヴィヴラート控えめ奏法。第1楽章の美しい序奏部から主部へ、生き生きとした快活な表現。第2楽章の思い切ったアクセントを付けた中間部と前後の対比。第3楽章トリオのホルンから始まるリズムの面白さ。再び快活な終楽章。2月のホーネックの「V字」程強烈ではありませんでしたが、自然な表現で好感がもてる演奏でした。
次は石坂団十郎を迎えたハイドンのコンチェルト。彼は2日にもロココを聞いていますが、やはり正統的な音楽をするいいチェリストですね。この曲結構技術的難易度が高いと思うのですが難なくクリアしていましたし、落ち着いた味のある音色と共に伸び伸びとした生きの良さが感じられました。オケは交響曲とは対照的に通常のヴィヴラートで滑らかな音でソロをサポートしていました(8-6-4-3-2の対抗配置)。アンコールのバッハも落ち着いたサラバンドと推進力のあるジーグとどちらも好演でした。リサイタルでじっくりと聞いてみたい人ですね。
後半は幻想、オケは通常配置の16型(どうせなら、これも対抗配置でやったら面白いとおもうんだけど・・・)。この曲を神経質な面やどろどろした面をクローズアップするのではなく、楽譜をニュートラルに捉えて表現した演奏といえるでしょうか。ベルリオーズの独り言みたいなところがまさに独白のように表現されていたり、木管のがちゃがちゃした感じを出していたのが耳に残りました。第5楽章の後半は結構オケをドライブしていてかなりスリリングでしたが、オケもよくついていっていました。
4月のオペラシティシリーズやホールオペラ「トスカ」、そして今日の定期と東響を聞いて正直「こんなに上手かったっけ?」と。これは定期的に聞かないといけませんね(笑)。次に主催公演でいけそうなのは・・・、ヘンツェ「裏切られた海」かなあ。うーむ。といいつつ帰りに本屋で三島由紀夫の「午後の曳航」を購入してしまった・・・(笑)。
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