ロイス/コンチェルト・ケルン/RIAS室内合唱団/カペラ・アムステルダム LFJジャポン ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス
今日から3日間にわたって東京国際フォーラムで繰り広げられるラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン。期間中行われる数多くのコンサートのなかでも、josquinが一番惹かれたのはコンチェルト・ケルンとRIAS室内合唱団の演奏会。両者とカペラ・アムステルダム他の演奏によるミサ・ソレムニスを聴きに、目黒から再び有楽町へ。
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン ベートーヴェンと仲間達 コンチェルト・ケルン RIAS室内合唱団 ベートーヴェン:ミサ・ソレムニスRIAS室内合唱団はルネ・ヤコープスとの競演等でおなじみの非常に力のある合唱団。そのRIAS室内合唱団と競演するカペラ・アムステルダムは共に今回指揮を務めるダニエル・ロイスを首席指揮者とする団体。今回初来日のコンチェルト・ケルンは古楽オケとして世界的にも名高い団体のひとつ。
・ ベートーヴェン : ミサ・ソレムニス ニ長調 作品123
ソプラノ : クラウディア・パラインスキー アルト : エリザベス・ヤンソン テノール : ダニエル・キルヒ バス : ニコラ・テステクレメンス・ハイドリッヒ
ダニエル・ロイス指揮 コンチェルト・ケルン (コンサートマスター:Anton Steck(?)) RIAS室内合唱団 カペラ・アムステルダム
2005年4月29日 20:45 東京国際フォーラム ホールC
コンチェルト・ケルンはCb-1Vn-Va-Vc-2Vnのヴァイオリン対向配置で、弦楽は8-6-5-4-4の編成。電子式ではない小さめのオルガンがコントラバスの左側に置かれています。オーケストラと合唱が同時に舞台上に現れて皆が揃ってから客席にご挨拶。そしてコンマス氏が立ち上がってオーボエの近くまで寄って音を合わせる。そしてチェロから第一ヴァイオリンへと一パートずつ音を合わせての丁寧なチューニングが印象的。そしてソリストと指揮者が登場。ソリストは指揮者右に4人が並ぶ配置。
そして始まったミサ・ソレムニス。妙に構えたところのない自然体の優しさにあふれたキリエ。生き生きとした喜びに満ちたグローリア。"Et incarnatus est"からのなんともいえない幸福感(全体の一体感と鳥のさえずりのようなフルートの素晴らしいこと)、"Crucifixus etiam pro nobis"からの深く深く沈んでいくような沈静、"Et resurexit tertia die"の復活の喜びとの見事な対比。今日の演奏の白眉ともいえるような素晴らしい瞬間の連続だったクレド。サンクトゥス以降もはったりのない音楽作りで、聞き手の心ににすっとはいってくる自然さ。ベネディクトゥスのコンマス氏が弾くオブリガートは指揮者の横に立っての演奏。冒頭はやや固さが聞かれたものの、曲が進むにつれて美しい音色で魅了してくれました。影のある冒頭から祈りそして喜びまでの道のりを見事に描いたアニュス・デイ。ミサ・ソレムニスがこんなに親近感をもって演奏されることは滅多にないことではないでしょうか。「優しさ」や「喜び」そして敬虔な「祈り」等を、虚飾のない普通の人間の営みとして描いた素晴らしい演奏でした。しかめっ面したいないベートーヴェンをしみじみと「いいなあ」と思いながら耳を傾けていました。
ロイスの指揮はやっぱり丁寧で自然な表情付けが最大の魅力。無理なく合唱を歌わせ、オケを奏でさせる手腕は見事でした。彼の指揮でいろんな宗教曲等を聞いてみたいですね。RIAS室内合唱団とカペラ・アムステルダムは終始、透明感のある素直な声と美しいハーモニーを聞かせていてロイスの自然な表現を意図した棒に良く応えた素晴らしい歌唱でした。コンチェルト・ケルンは名声通りのすこぶる高い機能性をもった古楽オケですね。終始美しい音色を奏でていて、全くと言って良いほどよれることが全くないのは見事ですね。現代楽器オケでもこれほどの水準の団体はそうないのではないかと思える程。コンマス氏を初めとして自発性も高く、合唱と一体となった素晴らしい演奏を披露してくれました。ソリスト陣ではソプラノのパラインスキーが図抜けていましたね。
東京国際フォーラムのホールCは昨年のキャンディード以来2度目ですが、PA無しでは初めて。今日は2階前方に陣取りましたが、音響は思っていたほど悪くなくて舞台の音を素直に楽しむことが出来ました。
このメンバでのミサ・ソレムニスの演奏会、明日は巨大なホールA、そして明後日はホールCであと2回おこなわれます。終演後、明後日もう一度聞こうかなあと思ったjosquinでした(笑)。
Comments
私も最終日の方の公演を聴いてきました。
オーケストラに合唱に、本当に素晴らしい公演でした。
俗っぽい話で恐縮ですが、
あれで2000円とは信じられません。
来年もこの企画、やっていただけるとありがたいです。
私はこの公演があまりに素晴らしかったので、はろるどさんのお聞きになった最終日にもう一度聴きにいってしまいました(まだ感想をエントリーできていませんが、笑)。
> あれで2000円とは信じられません。
普通にあのメンバを招聘したら、絶対にあの価格設定では聞けませんよね。
> 来年もこの企画、やっていただけるとありがたいです。
私も同感です。あれだけの人を有楽町に集めてしまったんですから、来年もやらないといけませんよ(笑)。
私は熱狂の日ではじめてこの団体を聞いて
コンチェルトケルンと 合唱団の大ファンになったものです。今回どこかでもういちどコンサートがないかと検索していろいろ探してこちらにきました。ご存じないですか?ファンレター出したいくらいです。
私は2日目の合唱をきいて、こんなに合唱がいいものだびっくりしました。実は初日夜に、残っていたのが大進と第九とマンドリン。さんざん迷って、初日なら第九だとかったのですが、第九では音が弦と管と歌がときどきずれる感じで、Aホールではしかたないのかと期待してなかったのです。
それにミサソレムニスだけは完売でないので、いまひとつなのかなあとおもっていたのです。開始も夜9時45分からで遅く、知らない曲なので、聴くのはやめて帰ろうかなあと思ったくらいだったのです。
しかも会場へいくと舞台に合唱はたった50人あまりで、第九に比べて寂しい感じ。そして 客席の空席 大丈夫かしらと。ところがはじまったら それはびっくり。本当に本当にすばらしかったです。
で、3日目も聴きたくなってしまいました。でも用があったのでしかたなく合奏を聴きました。ところがこれもよかった。心から音楽っていいでしょうと演奏しているという感じでした。
指揮者がいないのに大きさの変化がほんとうにうまくぞくっとしました。
どこかで演奏会や放送があるようでしたら、お教えください。長くてすみません。
私はこのミサ・ソレムニスを演奏してくれたRIAS室内合唱団&カペラ・アムステルダム、コンチェルト・ケルンの3団体、そして珍しい作品を演奏してくれたアクサントゥス室内合唱団に生で接することができたのがこの「お祭り」の最大の収穫でした。コンチェルト・ケルン単独の演奏会も良かったようですね、私も行きたかったのですが他の演奏会と重なってしまって・・・。
> どこかで演奏会や放送があるようでしたら、
ほんとにまた来日してほしい団体ですね(笑)。
このエントリにTBしてくれたSonnenfleckさんのblog「庭は夏の日ざかり」へのコメント(3日目のほう)に若干の情報が記されています。ご参考にしてください。