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コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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ヴォーカル・アンサンブル カペラ オブレヒト:ミサ「スブ・トゥウム・プレジディウム」

今朝友人から「凄いことに」との電話。有楽町へ立ち寄ってみたところほんとに凄い人出で当日券のチケット買うのに長蛇の列。結局、アマチュアオケの「フィデリオ」と「レオノーレ序曲第3番」を聴きつつ腹ごしらえをしただけで一旦有楽町を去りました(笑)。昨年10月に初めて耳にした時の素晴らしい演奏が記憶に新しいヴォーカルアンサンブル・カペラ。彼らの歌うオブレヒトのミサを聴きに有楽町から目黒へ。
ヴォーカル・アンサンブル・カペラ オブレヒト没後500年記念ミサ曲連続演奏会 ミサ《スブ・トゥウム・プレジディウム》

聖母のミサ Missa de beata virgine maria
 
1.グレゴリオ聖歌入祭唱「めでたし、聖なる生みの母」
Introitus "Salve sancta parens"
2.ヤコブ・オブレヒトミサ「あなたの庇護のもとに」 より キリエ
Jacob ObrechtKyrie, Missa sub tuum presidium
3.ヤコブ・オブレヒトミサ「あなたの庇護のもとに」 より グロリア
Jacob ObrechtGloria, Missa sub tuum presidium
4.グレゴリオ聖歌集祷文
Collecta
5.グレゴリオ聖歌使徒書朗読
Epistola
6.グレゴリオ聖歌昇階唱「あなたは祝福された、敬うべき方」
Graduale "Benedicta et venerabilis es"
7.グレゴリオ聖歌アレルヤ唱「あなたによって、神の母よ」
Alleluia "Per te, dei genitrix"
8.グレゴリオ聖歌福音書朗読
Evangelium
9.ヤコブ・オブレヒトミサ「あなたの庇護のもとに」 より クレド
Jacob ObrechtCredo, Missa sub tuum presidium
 
…………休憩…………
 
10.グレゴリオ聖歌奉献唱「あなたは幸いな方」
Offertorium "Felix namque es"
11.グレゴリオ聖歌叙唱
Prefatio
12.ヤコブ・オブレヒトミサ「あなたの庇護のもとに」 より サンクトゥス
Jacob ObrechtSanctus, Missa sub tuum presidium
13.グレゴリオ聖歌主の祈り
Pater noster
14.ヤコブ・オブレヒトミサ「あなたの庇護のもとに」 より アニュス・デイ
Jacob ObrechtAgnus Dei, Missa sub tuum presidium
15.グレゴリオ聖歌聖体拝領唱「幸いな御胎」
Communio "Beata viscera"
16.グレゴリオ聖歌聖体拝領祈願
Postcommunio
17.グレゴリオ聖歌終祭唱
Ite missa
18.ヤコブ・オブレヒト6声の「サルヴェ・レジーナ(めでたし元后)」
Jacob ObrechtSalve Regina a 6
 
…………アンコール…………
 
19.ジョスカン・デ・プレ4声の「サルヴェ・レジーナ(めでたし元后)」
Josquin de PerzSalve Regina a 4

ヴォーカル・アンサンブル カペラ
superius鈴木美登里/花井尚美/本保尚子
稲田知子(*)/今江奈緒子(*)/金子千晶(*)
altus/tenor青木洋也/及川豊/根岸一郎/望月寛之
bassus小酒井貴朗/花井哲郎(音楽監督)
*アンサンブル フォンス・フローリス(賛助出演)

2005年4月29日 16:00 聖アンセルモ・カトリック目黒教会
今年はヤコブ・オブレヒト(1457/8-1505)没後500年のメモリアルイヤー。今日のコンサートはヴォーカル・アンサンブル カペラを中心にしておこなわれるオブレヒトのミサ曲を特集したシリーズの第1回。

今回は最大7声になる曲もあるためにsuperiusにアンサンブル フォンス・フローリスの3人を加えて総勢12人による演奏。そのため前回は譜面台の片面を使ってひとつの楽譜を置いて演奏していたのですが、今回は曲によっては譜面台の両面を使ってふたつ楽譜を置いて演奏していました。そして、この団体いつものミサの典礼に準拠した形で進行しています。

ノン・ヴィヴラートの真っ直ぐな声と、良く鳴るハーモニーの美しさは相変わらず素晴らしい限り。ひとの声の一番おいしいところを使い、教会の豊かな響きを武器にしてその空間に声を解き放つ。解き放った声が空間で絶妙にブレンドされて聞こえてくる溶け合った響きの美しさは、コンサートホール等では味わえないこの団体の最大の魅力ではないでしょうか。その響きに浸っているだけで満足してしまいそう・・・(笑)。superiusを中心に鼻に掛けた響きもこのアンサンブルの特徴で、古楽器の演奏にも通ずるような典雅な趣を絶妙に醸し出しています。

ヤコブ・オブレヒトの作品はタリス・スコラーズディスクを持っているのですが多分未開封(笑)。恐らく生で耳にしたのは初めてかもしれません。今日演奏される"Missa sub tuum presidium"は通常のミサ典礼文だけでなく、いくつかの聖歌が同時に歌われるというある意味珍しい作品。主にsuperiusで歌われるシンプルな聖歌とポリフォニックなミサ典礼文との対比と調和がとても印象的。ルネッサンス時代のミサ曲に良くある(当時の流行歌等)親しみやすいメロディーを核にした作品ものとは違った趣があってとても興味深く感じました。クレドの豊穣ともいえる豊かな響きの世界、アニュス・デイに向うにつれて典礼文のポリフォニーとシンプルな聖歌が同一の地平に収斂していくさま。オブレヒトのジョスカン・デ・プレ同様の確かな手腕を感じずにはいられませんでした。

ヴォーカル・アンサンブル カペラの次回演奏会は7月。オブレヒト・シリーズの一環でミサ「フォルトゥーナ・デスペラータ(手に負えない、運命の女神よ)」をメインにしたプログラム。聴きに行きたいのだが吸血鬼も聴いてみたいし・・・(笑)。
らいぶ | comments (2) | trackbacks (2)

Comments

いなだともこ | 2005/05/01 01:30
josquinさま
初めて書かせて頂きます。昨年の秋の公演をご覧になって書かれていたものも拝見させて頂きました。私はあの時、チケット受付におりました…。由比ガ浜でもステキでした♪
お正月、マショーのノートルダム・ミサではアンセルモがはちきれそうなくらいになりました。さすがに人気のある曲なのですねぇ。
ところで、上記のプログラムのアンコールは、ジョスカンの4声のサルヴェレジーナだったと思われます。あれ、5声だったっけ…。それから「花井哲郎」の「哲郎」が「哲朗」になっておりますので、お時間のあるときにでも修正していただければと思います。実は私もずっと間違えていて、去年か一昨年あたりに「あのね…」と師からメールがきてかなり慌てました(笑)あたたた…。小酒井さんが貴朗、根岸さんが一郎、花井氏が哲郎ですね(笑)
josquin | 2005/05/01 02:02
いなだともこさま、コメントありがとうございます。
昨年の10月はチケットを受付で受け取りました・・・(笑)。
マショー盛況だったようですね、やっぱり聴きたかった(悔)。
アンコール曲の教示そして花井さんのお名前の誤記指摘、本当にありがとうございますm(__)m。メンバ表は10月の感想をベースに書いていたもので誤記のまま・・・(^_^;)。早速修正しなきゃ・・・。

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