今年もおしまいですが・・・。
超ナローバンド接続で実家からこんばんはなjosquinです。今年もコンサートやオペラの感想を書くのは思いっきり停滞モードm(__)m。せめてもの罪滅ぼしにいくつかのキーワードで今年を振り返ってみようかなと。まずは生誕250年を迎えたアマデウスさんから。
日本で最大のモーツァルト祭りとなったラ・フォル・ジュルネ(LFJ)をはじめとして、多種多様な企画が催されました。josquinも色々と聴きましたがもっとも心に残ったのは、僅か数分間の声楽曲の演奏。
次のキーワードも作曲家でいきませう、生誕100年を迎えたドミトリー・ショスタコーヴィチ。大野和士と新日本フィルによる素晴らしい第4交響曲の演奏で幕を開けた今年。第2回だけホーネックのモツレクに浮気しましたが、モルゴーア・クァルテットが3日間・全5回で挑んだ全曲演奏も今年の素晴らしい成果のひとつ。でも、ひとつだけを選ぶとするとこれ。
来年はミッチーこと井上道義が遂に交響曲全曲演奏に挑みます。この人の全曲演奏を待望していただけに非常に楽しみ。個人的には11~12月の開催なので他との日程調整が出来るかが一番の問題ではありますが・・・。
もう一人メモリアルイヤーを迎えた作曲家、没後10年を迎えた武満徹。夏の松本で接した演奏を。
メモリアルな作曲家はこのへんにして、次はソリスト・指揮者・オーケストラの三者が緊密な対話を紡いだ協奏曲の演奏をひとつ。これほど緊密な音楽的対話実現していた協奏曲の演奏は、なかなか接することは出来ないのではないかと。
ヨーヨー・マの次は今年初めてリサイタルに接することが出来たふたりのピアニスト、まずはピアノと共に移動するポーランド出身の彼から。
そしてもう一人は内田光子。昨年ボストリッジとの「水車小屋の娘」で初めて接しましたが今年は、リサイタル2回と協奏曲2回の計4回も聞くことが出来ました。ひとつあげるとするとベートーヴェンの最後のソナタ3つを取り上げた演奏会。
久しぶりに日本で演奏会をおこなってくれたふたりのマエストロ、まずは6年ぶりのクラウディオ・アバドから。
もう一人のマエストロは、なんと26年ぶりとなるアーノンクールの来日公演。私が聞くことが出来たのはウィーン・フィルとウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、各々1公演ずつ。ウィーン・フィルとのブルックナーも良かったけれども、アーノンクールの随所への拘りと澄み切った音色が描き出す言葉と音楽の一体感が素晴らしかったメサイアを。
今年は鬼才ペーター・コンヴィチュニー演出のオペラを2演目楽しめたのは嬉しい限り。シュトゥットガルト歌劇場の「魔笛」も面白かったけど、コンヴィチュニー自ら来日して演出を施した二期会の公演を。
とここまで書いて九つのコンサートやオペラを取り上げましたが、あれこれといろんなものが抜け落ちていますね(笑)。でも、キリがないのであとひとつだけ(年を越えてしまうし・・・)。最後はLFJで出会った若者4人組を。
そういえば、まだ今年の成績(笑)を記していませんでしたね。昨年は202本でしたが、今年はLFJにフル参戦した分増えました。その数、見事に二が三つ揃ってしまいました(^^ゞ。来年のLFJは一日増えるらしいので・・・(以下略)。
こんな停滞気味なblogでもたまに感想をアップすると、反応して下さる方がいらっしゃるのは嬉しい限りです。来年も(多分)細々と続けていきますので、今後もよろしくお願いいたします。
年明けは、デュトワ/N響のシェエラザードで聴き初めをする予定です。
それでは、皆さん良いお年を!
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスLFJでペーター・ノイマンの指揮の下、メインのハ短調ミサの後に演奏されたアヴェ・ヴェルム・コルプス。あらゆる意味で「純粋無垢」という言葉がふさわしい演奏に心打たれてしまいました。この直後に聞いたコルボとローザンヌ声楽アンサンブルのモツレクが、全く心に染みてこなかったのには参りました・・・。
ペーター・ノイマン指揮 コレギウム・カルトゥシアヌム ケルン室内合唱団
5月5日 東京国際フォーラム ホールA
次のキーワードも作曲家でいきませう、生誕100年を迎えたドミトリー・ショスタコーヴィチ。大野和士と新日本フィルによる素晴らしい第4交響曲の演奏で幕を開けた今年。第2回だけホーネックのモツレクに浮気しましたが、モルゴーア・クァルテットが3日間・全5回で挑んだ全曲演奏も今年の素晴らしい成果のひとつ。でも、ひとつだけを選ぶとするとこれ。
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番ハ短調時代の生き証人としてショスタコーヴィチの作品を「伝える」という気概をひしひしと感じる、ずっしりと思い手応えを残してくれた演奏でした。bloggerの間で評判だったキタエンコと東響のレニングラードは、残念ながらヤルヴィのベートーヴェン・ツィクルスと重なっていたため聞けませんでした。
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ指揮 新日本フィル
12月3日 すみだトリフォニーホール 大ホール
来年はミッチーこと井上道義が遂に交響曲全曲演奏に挑みます。この人の全曲演奏を待望していただけに非常に楽しみ。個人的には11~12月の開催なので他との日程調整が出来るかが一番の問題ではありますが・・・。
もう一人メモリアルイヤーを迎えた作曲家、没後10年を迎えた武満徹。夏の松本で接した演奏を。
SKF2006 武満徹メモリアルコンサートXIサイトウ・キネン・フェスティバルの武満徹メモリアルコンサートの後半で聞いた、ギターの鈴木大介を中心としたトリオの演奏。武満徹の映画音楽を素材にして、自由に戯れる3人のパフォーマンスは目から鱗。彼等だけでなく、他にも様々な試みが出てきてほしいですね。
武満徹(鈴木大介編):
映画「伊豆の踊り子」/映画「太平洋一人ぼっち」/「あこがれ」
映画「不良少年」から「○と△の歌」/映画「狂った果実」/映画「日本の青春」 他
鈴木大介/ブランドン・ロス/ツトム・タケイシ
8月30日 ザ・ハーモニーホール
メモリアルな作曲家はこのへんにして、次はソリスト・指揮者・オーケストラの三者が緊密な対話を紡いだ協奏曲の演奏をひとつ。これほど緊密な音楽的対話実現していた協奏曲の演奏は、なかなか接することは出来ないのではないかと。
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調ヨーヨー・マの卓抜なコミュニケーション(=アンサンブル)能力とジンマン/トーンハレのシンフォニックで暖かな雰囲気が幸せな形で結びついた演奏。この演奏ほどソリスト、指揮者そしてオーケストラの隅々にまで音楽的な対話が成立していた協奏曲の演奏は稀なこと。ツアー中、ヨーヨー・マはソリストとしての出番だけでなく、オーケストラに混じって弾いていた日もあったというのも頷ける話。後半に演奏されたシューマンの交響曲第2番もいい演奏でした。
チェロ:ヨーヨー・マ
デイヴィッド・ジンマン指揮 チューリッヒ・トーンハレ管
6月11日 サントリーホール 大ホール
ヨーヨー・マの次は今年初めてリサイタルに接することが出来たふたりのピアニスト、まずはピアノと共に移動するポーランド出身の彼から。
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番ハ長調 K.330バーンスタインとウィーン・フィルのサポートによるブラームスの協奏曲を皮切りにディスクでその演奏を親しんできたツィメルマン。今年、ようやくその演奏に接することができましたが、1曲目のモーツァルトに大満足してしまったのは私だけかなあ(笑)。完璧なコントロールが自ら弾くピアノへの拘る理由を証明していながら、音楽はモーツァルトと愉しく戯れている。最後の三つの和音で聞かせた茶目っ気なんかほんまに憎かったねえ。
クリスチャン・ツィメルマン
5月20日 サントリーホール 大ホール
そしてもう一人は内田光子。昨年ボストリッジとの「水車小屋の娘」で初めて接しましたが今年は、リサイタル2回と協奏曲2回の計4回も聞くことが出来ました。ひとつあげるとするとベートーヴェンの最後のソナタ3つを取り上げた演奏会。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番/第31番/第32番彼女ほどはっきりと「私はこう思う」と演奏で示せる人はそういないでしょう。ヤンソンス/コンセルトヘボウとモーツァルトの協奏曲を弾いた後、アンコールで演奏してくれたシューベルトの即興曲(作品90-3)も絶品でした。
内田光子
9月18日 サントリーホール 大ホール
久しぶりに日本で演奏会をおこなってくれたふたりのマエストロ、まずは6年ぶりのクラウディオ・アバドから。
マーラー:交響曲第6番イ短調「悲劇的」ポリーニとのブラームスとブルックナーが演奏された日の演奏も素晴らしかったけれど、どちらかと問われればマーラーを。これでもかと聞き手をどん底に突き落とすようなアプローチ(スキンヘッドの某マエストロとか・・・)とはまったく正反対なマーラー。どんなに音楽が絶望を描いていても、決して希望への灯りを消すことのない前向き指向な「悲劇的」。アバドとルツェルン祝祭管との一体感も素晴らしかった。
クラウディオ・アバド指揮 ルツェルン祝祭管
10月14日 サントリーホール 大ホール
もう一人のマエストロは、なんと26年ぶりとなるアーノンクールの来日公演。私が聞くことが出来たのはウィーン・フィルとウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、各々1公演ずつ。ウィーン・フィルとのブルックナーも良かったけれども、アーノンクールの随所への拘りと澄み切った音色が描き出す言葉と音楽の一体感が素晴らしかったメサイアを。
ヘンデル:オラトリオ「メサイア」アリア等でおこなわれるリピートでの装飾が不要と思えたのは初めて。それほどまでに突き詰めた表現によるメサイア、他に聞いたことがありません。それでも全体は大きな優しさに満ちていたのが、以前のアーノンクールとは違うところかもしれません。
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス アーノルト・シェーンベルク合唱団 他
11月21日 サントリーホール 大ホール
今年は鬼才ペーター・コンヴィチュニー演出のオペラを2演目楽しめたのは嬉しい限り。シュトゥットガルト歌劇場の「魔笛」も面白かったけど、コンヴィチュニー自ら来日して演出を施した二期会の公演を。
二期会ぱっと見は全然普通じゃないんだけど、作品を深く読み込んだ上で実にわかりやすい表現方法をとっているのがよ~くわかる。それでいて、いくらでも深読み可能な演出になっているのだから恐れ入ります。二期会の若手歌手の大健闘も光っていた公演でした。
モーツァルト:皇帝ティトの慈悲
望月哲也/林正子/幸田浩子/林美智子 他
ユベール・スダーン指揮 東京響 二期会合唱団
4月22日 新国立劇場 オペラ劇場
とここまで書いて九つのコンサートやオペラを取り上げましたが、あれこれといろんなものが抜け落ちていますね(笑)。でも、キリがないのであとひとつだけ(年を越えてしまうし・・・)。最後はLFJで出会った若者4人組を。
ハイドン:弦楽四重奏曲第37番ロ短調 Hob.III.37最初は聞くつもりがなくて、友人から「この時間空いる?」と誘われて聞いたのがこのコンサート。今年のLFJは結構過密日程を組んでいたにも関わらず、たまたまこの時間帯空いていたんですね(笑)。緻密なアンサンブルで、センスの良い歌心と思い切りの良さが光るハイドン。やんちゃそうなヴィオラのお兄ちゃんのリーダーシップも頼もしかった(笑)。誘ってくれた友人に感謝しないと・・・。
エベーヌ弦楽四重奏団
5月3日 東京国際フォーラム ホールB5
そういえば、まだ今年の成績(笑)を記していませんでしたね。昨年は202本でしたが、今年はLFJにフル参戦した分増えました。その数、見事に二が三つ揃ってしまいました(^^ゞ。来年のLFJは一日増えるらしいので・・・(以下略)。
こんな停滞気味なblogでもたまに感想をアップすると、反応して下さる方がいらっしゃるのは嬉しい限りです。来年も(多分)細々と続けていきますので、今後もよろしくお願いいたします。
年明けは、デュトワ/N響のシェエラザードで聴き初めをする予定です。
それでは、皆さん良いお年を!
Comments
コンサートにはあまり行けないので、楽しく読ませていただいております。来年もよろしくお願いします。
来年の聞き初めも、素敵そうですね。
レポート、楽しみにしております。
それでは、よいお年を!
Honey さん
あけましておめでとうございます。
ご返事が遅くなっているうちに年が明けてしまいました。ノイマンのモーツァルト、ディスクではいくつか耳にしていたのですが、まさに「百聞は一見(一聴)に・・・」の素晴らしさ。今度は是非きちんとしたホールで聞いてみたいものです。
ご両人のblogも楽しみにしております。
今年もよろしくお願いいたします。