アルミンク指揮 新日本フィル トリフォニー定期 サロメ
新日本フィルハーモニー交響楽団 トリフォニーシリーズ 第367回定期演奏会
R.シュトラウス:楽劇「サロメ」(コンサートオペラ形式)
ヘロデ:ウド・ホルドルフ
ヘロディアス:アニヤ・シリヤ
サロメ:アンナ・カタリーナ・ベーンケ
ヨカナーン:ユルゲン・リン
ナラボート:井ノ上了吏
小姓:杉野麻美
5人のユダヤ人:経種廉彦/羽山晃生/加茂下稔/大野光彦/大久保光哉
2人のナザレ人:工藤 博/小貫岩夫
2人の兵士:志村文彦/鹿野由之
奴隷:小林菜美
クリスティアン・アルミンク指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団
ゼネラル・ディレクター:クリスティアン・アルミンク
2004年3月27日 15:00 すみだトリフォニーホール 大ホール
ステージ上はオーケストラをやや右寄りに配置し、指揮台左から反時計回りに階段状の舞台を設置。歌手はそこで演技をしながら歌う寸法。また舞台上からオルガンバルコニーへ階段+円形のモティーフみたいな構造物を設置して、そこが古井戸への入り口となっていてヨカナーンは上から登場。サロメの踊りは目のところを覆うマスク状のもの(なんていうんでしょう?)をひとつづつ拾っていくというもので、最後では華やかな色のドレスから黒が主体のドレスへ衣装替え。
ベーンケのサロメは高いほうの声の艶が薄くなるのとビブラートがややきつくなるところが気になりましたが、最後まで見事に歌いきりました。サロメの少女的なイメージは薄いものの、役作りは見事でした。
ホルドルフのヘロデ王は典型的な鼻声系のテノールでした。2週間前に聞いたツェドニクよりはしっかりしたイメージがありこれもまた見事でした。
シリヤのヘロディアスは声量的にはやや劣るものの、存在感がとてもあって凄いですね。彼女自身も以前レパートリーにしていたサロメを見つめるまなざしが印象的でした。
ヨカナーンのリンは声質は良いのだけれども、やや詰まったイメージがあって声の伸びが欲しい。それが改善されれば、ヨカナーンの品格みたいなものも充分出てくる歌い手かと。
アルミンク指揮の新日本フィルはシュトラウスのサウンドイメージを充分に音にできていました。ただ、全体的にテンションがやや低いのがちょっと気になりました。凄みというか、切れば血が出てくるような感じが欲しかった。でも、サロメの踊り以降はかなり改善されていました。美しいサロメとでもいうべき演奏でした。
アルミンクの今の持ち味からいくと、アリアドネみたいな系統のほうが今はぴったりのような気がしました。
来年はレオノーレ(フィデリオではない)だとか。楽しみです。
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