プロ野球はストで中止ですが、今日はダブルヘッダーです(笑)。第一試合は錦糸町でアルミンク/新日本フィルの山登り見物(?)です。
新日本フィルハーモニー交響楽団 トリフォニー・シリーズ 第374回定期演奏会
1. | ブロッホ | : | プロクラメーション トランペットと管弦楽のための |
2. | コープランド | : | 静かな町 |
3. | ウィリ | : | トランペットと管弦楽のための協奏曲「エイレーネ」(2001 日本初演) |
| | | * |
4. | R.シュトラウス | : | アルプス交響曲 作品64 |
トランペット | : | ラインホルト・フリードリヒ(1,2&3) |
イングリッシュホルン | : | 森明子(2) |
クリスティアン・アルミンク指揮 | 新日本フィルハーモニー交響楽団 |
| (コンサートマスター:崔文洙) |
2004年9月18日 15:00 すみだトリフォニーホール 大ホール
プログラムの前半はトランペットのラインホルト・フリードリヒを迎えて近現代の作品が3曲演奏されました。フリードリヒは元フランクフルト放送響の主席を努めていた人だそうで、インバルのマーラーの交響曲の録音のいくつかは彼が吹いたのかもしれませんね。フリードリヒのトランペットは音に思いがよくのっているのがいいですね。こくのある音色とヴィヴラート少な目の吹き方も好みです。ブロッホのユダヤ色の強い曲想にあわせた強い表現、コープランドでの森明子が奏するイングリッシュホルンがゆったりと歌うなかジャズを吹く少年をイメージしたとされるトランペットの程よい対比、そしてウィリでのジャズのテイストを含むさまざまな要素を吹き分けるテクニック、何れも素晴らしい演奏でした。フリードリヒの音楽をオケと一緒になってエンジョイしている風情も良かったなあと思います。アルミンク指揮する新日本フィル(12型でした)もソロと一体となった演奏で存分にソロを引き立てていました。
さて後半はR.シュトラウスのアルペン・シンフォニー。
3月のサロメでも美しい音楽作りが印象的でしたが、今回は更に素晴らしい演奏ではなかったでしょうか。冒頭の日の出のじわじわと盛り上がっていき、オーボエの日の出を示すところから日が完全に出たフォルティッシモのR.シュトラウスらしい豊潤なサウンド。ここで勝負ありましたね。アルミンクの美点である美しく品のある音楽作りが曲にジャストフィット。室内楽的な味わいから雄大なスケール感、決して音を濁らせることのないオーケストラ捌き、そして雄大にかつ美しく歌われるいメロディー。美しさと厚みを両立した相変わらず好調な弦合奏を中心に、木管そしてホルン(雄大な吹きっぷりは見事)を中心とした管楽器も好調、各パートのソロも積極的な音楽を奏でておりました。アンサンブルに関してもメロディーの受け渡しが実にスムーズ。嵐も音が汚くなる寸前で止めていますが、音楽的な充足感は充分。その後のフィナーレまでの下降線も実に見事でした。今まで私の聞いた聞いたアルミンク/新日本フィルのベストではなかったでしょうか。ブラボー、クリスティアン。
クラリネット主席の鈴木良昭さんが今月で定年退職とのこと。主催演奏会は今日で最後ですので(
松戸公演はありますが)、アルミンクから花束を贈られ、聴衆からも暖かい拍手を送られていました。
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