えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

<< アンスネス/プレトニョフ/東京フィル オーチャード定期 シベリウス/ラフマニノフ/ベートーヴェン | main | 藝大うたシリーズ 森鴎外訳オペラ「オルフエウス」 寺谷千枝子/佐々木典子/高関健 >>

ボストニコーワ/ロジェストヴェンスキー/読響 横浜名曲 チャイコフスキー/リムスキー=コルサコフ/ムソルグスキー

読響恒例、年に一度のロジェストヴェンスキー月間もこのプログラムが最後。何年も続いているロシア音楽シリーズ、今回はチャイコフスキーのマンフレッドとリムスキー=コルサコフのピアノ協奏曲がプログラミングされているのが珍しいところ。先週の神奈川フィルに続いて、今日も桜木町へ。
読売日本交響楽団 横浜みなとみらいホリデー名曲コンサート

1.チャイコフスキー交響曲「マンフレッド」作品58
<休憩>
2.リムスキー=コルサコフピアノ協奏曲嬰ハ短調 作品30
3.ムソルグスキー(リムスキー=コルサコフ編)交響詩「禿山の一夜」

ピアノヴィクトリア・ポストニコーワ

ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮読売日本交響楽団
(コンサートマスター:藤原浜雄)

2005年9月19日 14:00 横浜みなとみらいホール 大ホール
プログラム前半はチャイコフスキーのマンフレッド。通常メインとなるような大曲を前半に置くプログラミング、このオーケストラ時々やりますね。ロシア的な憂いと繊細な美しさを読響から引き出し、抒情纏綿だけでなく雄大なスケールと適度なメリハリを加えた知と情のバランスの取れた素晴らしい演奏でした。読響の持つ演奏能力の高さを、ロジェストヴェンスキーが見事に引き出したオーケストラ捌きが光ります。各パートがくっきりと聞こえてきますし、メロディーの歌わせ方も情感が程良くのるセンスの良さ。第1楽章のダイナミックな展開、第2&第3楽章の優美さ、終楽章最後のオルガンが壮麗に鳴り響いた後の浄化された祈り。この曲を生演奏で聴くのは初めてでしたが、ロシア系指揮者にありがちな爆演ではなくオーケストラの響きの美しさを重視しているのが素晴らしいところ。今迄聞いたこのコンビの演奏のなかでも一番印象の良かった演奏かもしれません。

休憩の後はロジェストヴェンスキーの奥さんでもある、ボストニコーワをソリストに迎えた演奏される機会が少ないリムスキー=コルサコフのピアノ協奏曲。josquinも演奏会はもとより放送やディスクでも耳にしたことがありません。曲は単一楽章で構成されていますが、おおまかには3部に分かれた構成が採られています。親しみやすい民謡調のメロディーを中心にした、華やかな佳曲ですね。ボストニコーワは華麗なピアニズムを聞かせてくれましたし、ロジェストヴェンスキーと読響のサポートも良好。曲の持つ親しみやすさと華麗さを生き生きと伝えてくれる演奏でした。

最後はムソルグスキーの禿山の一夜。今年1月に條崎靖男/NJPの演奏でムソルグスキー以外の人の手の加わっていない原典版を聞いていますが、それに較べるとよく演奏されるリムスキー=コルサコフ版はやっぱり華麗ですね。個人的には粗野で粗暴な感じが色濃く出ている原典版のほうが好みかなあ。今日のリムスキー=コルサコフ版を使ったロジェストヴェンスキーと読響の演奏はやっぱり華麗な味わいが前面に出ていますね。ロジェストヴェンスキー流の茶目っ気もたっぷり入っていて面白いのですが、細工なしでストレートに演奏してくれたほうが良かったかも(笑)。読響も前半のマンフレッドの演奏に較べるとほんの少し集中力が薄れていたような気がします。

ロジェストヴェンスキーと読響のロシア名曲&秘曲シリーズ、今後も様々な作品を紹介していって欲しいものです。

【配置&編成】
配置1Vn-2Vn-Va-Vc Cb右
編成16-14-12-10-8
らいぶ | comments (0) | trackbacks (0)

Comments

Comment Form

Trackbacks