えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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アンスネス/プレトニョフ/東京フィル オーチャード定期 シベリウス/ラフマニノフ/ベートーヴェン

一昨日はアンスネスのアンコールと後半の運命を聞いたプレトニョフと東フィルの組み合わせ。今日はコンサートの最初からちゃんと聴きます(笑)。アンスネスのラフマニノフを楽しみに渋谷へ。
東京フィルハーモニー交響楽団 第712回定期演奏会

1.シベリウス交響詩「吟遊詩人」作品64
2.ラフマニノフピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18
-アンコール-
3.モンポウ歌と踊り より 第1番
-休憩-
4.ベートーヴェン交響曲第7番イ長調 作品92

ピアノレイフ・オヴェ・アンスネス(2&3)

ミハイル・プレトニョフ指揮東京フィルハーモニー交響楽団(1,2&4)
(コンサートマスター:荒井英治)

2005年9月18日 15:00 Bunkamura オーチャードホール
前半はシベリウスの交響詩「吟遊詩人」から。オーケストラはヴィオラ外側の通常配置で弦の編成は16型。この曲を聴くのは初めてですが、静謐な森の中を人が逡巡しながらとぼとぼと歩くような情景を、弱音を主体とし断片的な動機を散りばめて構成された非常に内省的(内向的といっていいかも)な音楽ですね。それでも最後に一応盛り上がるのですが、また最初の部分ハープを主体とした音楽に戻って終わります。いろいろと逡巡した挙句に結論は出ないんだわ人生って・・・という感じでしょうか?。プレトニョフと東フィルはそんな不思議な曲想を憂いのある音色と緊張感を持って見事に表現していましたね。ベートーヴェンよりもこういった曲のほうが合うんではなかろうかと思った次第。

前半の2曲目は一昨日聞けなかった、アンスネスの弾くラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。この曲の弦は14型の編成。静寂の中をアンスネスの透き通った美しい音がホールを静かに満たしていきます。そして、プレトニョフの振る東フィルがロシア情緒たっぷりに歌い始めると、アンスネスはその雄大な流れに乗りながら明確なタッチを武器にして、引き締まった造形をベースにしてリリカルでダイナミックに曲を弾いていきます。左手の拍頭の音を楔のようにしっかりと打鍵し、右手の磨かれた美しい音は決してオーケストラに埋もれることがありません。東フィルもアンスネスのピアノに触発されたのか、透明感のあるサウンドを実現していました。第2楽章はアンスネスのたゆたうような分散和音にのって、木管のソロ、そしてヴァイオリンを主体とした弦を中心に実に美しい歌を聞かせてくれました。そして第3楽章はアンスネス、プレトニョフそして東京フィルの三者の息が合致した一体感が素晴らしい演奏でした。一昨日の盛大な拍手が充分に納得できる(それ以上かも)見事な演奏でした。

盛大な拍手に応えたアンスネスのアンコールはモンポウで今日も踊りの音楽。一昨日の生き生きとしたリストとは異なり、しみじみと味わい深い演奏を聞かせてくれました。うーむ、木曜日のグリークも聞きたくなって来たぞ(笑)。

後半はベートーヴェンですが、今日は第7交響曲。一昨日の運命よりはずっと素直な音楽作りで、男性的な力強さと高弦を中心にしたフレッシュさを兼ね備えた演奏。プレトニョフ特有のテンポを落としたこだわりが第1楽章提示部と展開部の中程に第3楽章終結部に聞かれました。運命の時ほどの違和感はないのですが、音楽の流れを故意に断ち切っているような気がするんですよねえ。テンポを落とさずにフレーズを強調する方法はいくらでもある筈なのに。それがなければ、途中の疑問符無しで終楽章に向かって骨太に突き進んでいく聞き応え満点の演奏になったと思うんですが・・・。でも運命よりはずっと印象は良かったですよ、本当に。
らいぶ | comments (4) | trackbacks (0)

Comments

Honey | 2005/09/18 21:44
こんばんは。
早速アップして頂いて、大変嬉しいです。
感謝感謝です。m(__)m
(って、Honeyだけのためのブログじゃないのですよ>自分)
う~むアンスネス、そうだったのか~! いいな~、とは思ったけれど・・・
毎度、こちらへお邪魔しては、ちょこっとずつお勉強。
まだまだ未消化の多いHoneyです。(自爆)
これはもう、木曜日も行ってもらわないと。(笑)
josquin | 2005/09/18 23:38
たまたま先に仕上がっただけですのでご心配なく(笑)。

> これはもう、木曜日も行ってもらわないと。(笑)

さてどうなるでしょうか(爆)。
アガサ | 2005/09/19 22:49
こんばんは

えすどぅあさんは両方いかれたんですね。
アンスネスのピアノの音色は綺麗で澄んでいましたね。
それでいて迫力ある強い音色での演奏もあり、十分堪能させてもらいました。 何度も手の汗をスラックスで拭いていたのが印象的で、顔は冷静でしたが心は高まりを持ちながら集中しての演奏だったのではないでしょうか。 グリークも聞きたいですね!
josquin | 2005/09/20 00:47
ええ、金曜日はアンコールだけでしたが(笑)両方行きました。美音だけではない力強さもあって良かったと思います。グリーク、聞きたいですねえ・・・。

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