アルミンク/新日本フィル サントリー定期 コルンゴルト/R.シュトラウス/バルトーク
2004/2005シーズン最後のサントリー定期を大地の歌の素晴らしい演奏で飾り、二期会「フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ」(感想はまだアップできていませんm(__)m)でもピットから魅力的な音楽を聞かせてくれたアルミンク/新日本フィル。2005/2006シーズンはコルンゴルトの日本初演曲で幕開け。後半のバルトークをどう料理するかも楽しみにしつつ六本木一丁目へ。
新日本フィルハーモニー交響楽団 サントリーホール・シリーズ 第389回定期演奏会今日のオーケストラはチェロ外側の通常配置、弦は3曲共に16型の編成。 前半は日本初演となるコルンゴルトの「スルスム・コルダ」から。プログラムの解説(山尾敦史さん)によれば「スルスム・コルダ」は意訳すると「上を向いて歩こう」のようなニュアンスがあるとのこと。オペラ「
1. コルンゴルト : 交響的序曲「スルスム・コルダ」作品13(日本初演) 2. R.シュトラウス : バレエ音楽「ヨゼフ伝説」交響的断章 * 3. バルトーク : 管弦楽のための協奏曲
クリスティアン・アルミンク指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団 (コンサートマスター:豊嶋泰嗣)
2005年9月7日 19:15 サントリーホール 大ホール
2曲目は1曲目を捧げられたR.シュトラウスのあまり聞く機会のないバレエ音楽「ヨゼフ伝説」の交響的断章。もともと1時間程度の音楽を25分程にまとめたもの。こうやってコルンゴルトと並べて聞いてみると両者の違いが明らかになって面白い。あくまで親しみやすいコルンゴルトに対して、遊びに満ちていながらも格調の高さを感じさせるR.シュトラウス。両者の音楽が似ているようで似ていないところが良くわかるし、途中のワルツも愉しいし全体に遊び心も充分に感じさせてくれるこれもまた好演。前半は明るく豊潤なサウンドをたっぷりと楽しみました。
後半はバルトークの通称オケコン。華やかなオーケストラの妙技を楽しむにはもってこいの曲。しかし、アルミンクはそんな外面には一切目もくれない。低弦がぶつぶつ、高弦がざわざわ、そしてフルートがはらり。そんな冒頭からバルトークが曲に込めた想い(むしろ叫びといっていいのかも)がひしひしと伝わってくる。アルミンクらしい控えめな慎ましい音楽作りにもかかわらず、いやそうだから自然と聞き手に想いが伝わってくる。バルトークの作曲当時の心象が描かれているのではないかと思われる第3楽章「悲歌」だけではなく、どの楽章においても。第2楽章「対の遊び」や第4楽章「中断された間奏曲」でも「遊び心」を充分に楽しませてくれているのに・・・。NJPもアルミンクのピアニッシモ方向の厳しい要求に応え、奏者のスタンドプレイは皆無と言っていい。何度も耳にしている曲ですが、これほど想いが切実に迫ってくる演奏は今日が初めてかも。なんたって、第1楽章から涙腺緩んで仕方なかったんですから・・・。それほどアルミンクとNJPが曲の核心を突い素晴らしい演奏を披露した証だと思います。
アルミンクとNJPは私にとって、聞けば聞くほど「聞き逃せない」度が増すばかり。来週末はトリフォニー・シリーズの開幕で、マーラーの復活が演奏される予定になっています。これも外身が派手な音楽ですが、アルミンクとNJPどんなアプローチを聞かせてくれるか楽しみです。
Comments
しかし、秋はまた予定がいっぱい。
遊びだから、いいのですが~f^^;
○ オペラ「死の都市」or「死の都」
ですね。
ご指摘ありがとうございます、修正しておきます~。