尾高/日本フィル 東京定期 ラフマニノフ:交響曲第2番
日本フィルハーモニー交響楽団 第569回定期演奏会日本フィルを聞くのは昨年12月の広上淳一が指揮したブルックナーのミサ曲第3番以来。前半はリャードフの「魔の湖」とプロコフィエフのピアノ協奏曲第2番(ピアノ:若林顯)。
3. ラフマニノフ : 交響曲第2番ホ短調作品27
尾高忠明指揮 日本フィルハーモニー交響楽団 (コンサートマスター:木野雅之)
2005年4月15日 19:00 サントリーホール 大ホール
オーケストラは16型の編成でヴィオラが外側に置かれたいたって普通の配置。
尾高忠明のしなやかなでけれんみのない自然な音楽作りと、日本フィルのシルキーな感触の弦を中心にバランスの取れた美しい響きがよくマッチした好演でした。第1楽章と第2楽章は尾高の芝居気のない音楽作りが印象的。第1楽章では時折オルガンのような響きを聞かせてくれたものの、細かい動きの音で高弦の響きが硬くなってしまったのがやや残念。また、第2楽章は指揮者の設定するテンポとオケの奏でる音楽の密度感が合わず、隙間が生じてしまったように聞こえてしまいました。しかし、この後の後半2楽章が良かった。今日の白眉ともいえる第3楽章の素晴らしさ。指揮者の隅々まで目の行き届いたオーケストラコントロールと自然な旋律の歌わせ方。オーケストラも高弦の美しさと全体の調和が良く取れた美しい響きで応える。両者の息がぴったりと合った素晴らしいアダージョ楽章でした。クライマックスの後にテーマをさまざまな楽器が歌い継いでいくところのアンサンブルの良さ、そして特筆したいのが途中のクラリネットのモノローグも味わい深さ。カーテンコールで尾高が真っ先にクラリネット首席を立たせたのも納得。続く終楽章は一転して生き生きとした愉悦感いっぱいの楽しさ。要所要所で日本フィルのパワーを生かしつつ、決して力に頼らずに素直に喜びを表現した尾高の手腕が光りました。
日本フィルは個人的に他の在京オケに較べると聞く機会が何故か少ないのですが、今日のような演奏を聞かせてくれるとまた聞いてみようかなあという気になります(笑)。尾高忠明の指揮も久しぶりでしたが、妙な束縛感のない自然な棒が好ましいですね。
Comments
コンサートにいらしてたんですね。前半もなかなか聴き応えありました。とくに若林顕さんは良かったです。
でもお客さんの入りが悪かった……。残念です。
こちらからもTB送っておきます。
演奏は良かったのに客席はさびしかったですね。あの様子だと木金の2回ではなくどちらかの1回になってしまいそうな・・・。