えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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小澤/新日本フィル トリフォニー定期 ハイドン/ショスタコーヴィチ

先週の水戸に続いて小澤月間第2弾。小澤征爾のショスタコーヴィチって珍しいレパートリーで、協奏曲の伴奏を除けば4年前に新日本フィルで聞いた第5交響曲とこの第10交響曲くらいでは。確か、小澤の師カラヤンも同じ第10交響曲くらいしか音盤になっていなかったかと。そのタコ10を聴きに錦糸町へ。
新日本フィルハーモニー交響楽団 トリフォニー・シリーズ 第379回定期演奏会

1.ハイドン交響曲第98番変ロ長調 Hob.I-98
2.ショスタコーヴィチ交響曲第10番ホ短調作品93

小澤征爾指揮新日本フィルハーモニー交響楽団
(コンサートマスター:崔文洙)

2004年12月11日 15:00 すみだトリフォニーホール 大ホール
まずは8-8-6-4-3の編成でハイドンの98番。美しく均整の取れたフォルムと美しいアンサンブルで聞かせるオーソドックスで上質なハイドン。ハイドン特有のユーモアがそう聞こえてこないのは、生真面目な小澤とオケの相乗効果かも。2楽章のチェロ、3楽章トリオのヴァイオリン、ファゴット、フルート、終楽章の弦Soliと木管のソロのうまさと緊密なアンサンブルの美しさはこのオケの面々の腕の確かさの証明。終楽章、いままでオケをコントロールしていた小澤がオケに任せる(Soli部分だけでなく)姿勢を見せ、それに応えてオケが自発性を発揮し生き生きとした音楽を奏でていました。また、提示部後の間を長めにとって遊びの要素を加えていましたのが印象的でした。

後半は16型の編成でメインのタコ10。余計な思い入れや膨張した表現を排し、スコアを丹念に音にして純音楽的な側面から曲を捉えたアプローチ。それが新日本フィルの素晴らしいアンサンブルと共に見事に成就した素晴らしい演奏でした。刺激、深読み、膨張・・・等々、余計ことをしなくても立派にショスタコーヴィチの音楽が表現できるという証明を見事に成し遂げていました。緊張感の途切れない絶妙のテンポ設定、第2楽章の適度なドライブ感とリズムの切れの良さは小澤の特徴が第4楽章と共によく出たところ。新日本フィルもいつもより厚みを増したにも関わらず安定した美しい音色と一糸乱れぬアンサンブルの弦楽器群。第1楽章のクラリネットソロ(山本正治)の物悲しさと全般に渡り絶妙なコントロールで聞かせたオーボエソロ(古部賢一)を代表とする木管陣の素晴らしいソロとアンサンブル。むやみに咆哮することなく響きを重視して整然と響き渡る金管群。なかでも第3楽章に代表される吉永雅人のホルンソロの見事さと、彼の率いるホルンセクションの素晴らしさは出色の出来栄え。本当に素晴らしいタコ10の演奏でありました。
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ヴォロドス/小澤/新日本フィル サントリー定期 ラフマニノフ/ベートーヴェン | えすどぅあ | 2004/12/17 01:38
水戸、錦糸町と続いた小澤月間最終回。ヴォロドスが弾くラフマニノフとベートーヴェンの第7交響曲を聴きに六本木一丁目へ。
小澤征爾と第九の・・・。 | えすどぅあ | 2004/12/29 01:54
先月のまとめで、15本いくと年間180本だなあと・・・。結局、1本多くなって16本。年間181本になりました・・・。