えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

<< 鈴木/BCJ BCJのクリスマス バッハ/シュッツ他 | main | デュトワだけでなくソリストも・・・。 >>

ヴォロドス/小澤/新日本フィル サントリー定期 ラフマニノフ/ベートーヴェン

水戸錦糸町と続いた小澤月間最終回。ヴォロドスが弾くラフマニノフとベートーヴェンの第7交響曲を聴きに六本木一丁目へ。
新日本フィルハーモニー交響楽団 サントリーホール・シリーズ 第380回定期演奏会

1.ラフマニノフピアノ協奏曲第3番ニ短調作品30
アンコール
2.ラフマニノフ(ヴォロドス編)「イタリア・ポルカ」によるコンサート・パラフレーズ
3.マルチェッロオーボエ協奏曲ニ短調 より 第2楽章
4.ベートーヴェン交響曲第7番イ長調作品92

ピアノアルカディ・ヴォロドス(1,2&3)

小澤征爾指揮新日本フィルハーモニー交響楽団(1&4)
(コンサートマスター:崔文洙)

2004年12月16日 19:15 サントリーホール 大ホール
前半はラフマニノフのピアノ協奏曲第3番。ソリストは1972年サンクトペテルブルク生まれのアルカディ・ヴォロドス。近年欧米で好評を博していて、今回が初来日とのこと。短いオーケストラの序奏からピアノによる主題提示は初めはくっきりと澄んだ音、ピアニッシモでの繰り返しはそっと撫でるようなソフトな音で弾いていて対比が印象的。音楽が動きを増してくると、やや荒めだけど力強い打鍵でダイナミックな弾きっぷりでぐいぐと前へと音楽を進めていきます。フレージングも自由度が高く、良く言うと即興性豊か、悪く言うと気分屋的な印象もしないでもない。また中間色な味わいはあまり感じられなかったかと。指も良く回るし技術的にはまったく問題がないだけに、もう少し筋の通ったスタイルで聞かせてくれると印象も違うのに。小澤指揮の新日本フィルは基本的にヴォロドスぴったりと付けた伴奏。ラフマニノフらしい味わいにも不足がありません。ただソリストに付けるだけではなくて、ソリストを触発させる何かが欲しいかもしれません。例えば、ピアノとの音量バランスは配慮し過ぎかなとも思えます。ピアノはよく聞こえてくるのですが、背後のオケが控え目でもっとうねりが聞きたいなあと思うところが第2楽章を中心にいくつありました。先月聴いたブロンフマン/ゲルギエフ/ウィーン・フィルのこの曲の演奏がとても素晴らしかっただけに、ちょっと分が悪かったかも。拍手に応えてのアンコールは2曲。ラフマニノフの連弾曲をヴォロドス自身がアレンジしたイタリア・ポルカは彼のダイナミズムが良く現れた演奏で、最後の部分の追い込みは迫力・聴き応え共に充分。そして、マルチェッロのオーボエ・コンチェルトの第2楽章はうってかわって「静」の音楽ですが、ちょっとしたところで「動」が顔を出すのがヴォロドスらしいところなのかもしれません。

後半はベートーヴェンの第7交響曲。弦の編成は14-12-10-8-7(前半も一緒)で、トランペットにアシスタントがついた他は各2本ずつでほぼスコアどおり。早めのテンポと引き締まった造形、フレッシュでみずみずしい音色、弱音方向での繊細さと強音の力強さ、そして細部まで目配りの利いたきめ細やかさ。体全体の動きのキレでテンポとリズムを示し、オーケストラを導いていく小澤流の指揮術はこういう曲で最大限発揮されますね。終楽章は特に見事でした。余計な見栄を張らないでスコアを音する小澤らしい率直さが良い方向に発揮された好演だったと思います。新日本フィルも繊細で美しい弦とアンサンブル良好な木管を中心に小澤の棒によく応えていました。第2楽章で木管が歌うなか、それを支える弦の第1ヴァイオリンとヴィオラの掛け合いが、ステレオ効果のように浮かび上がって聞こえてきたのは今日の発見でした。
らいぶ | comments (0) | trackbacks (0)

Comments

Comment Form

Trackbacks