えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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鈴木/BCJ BCJのクリスマス バッハ/シュッツ他

昨年の同じ時期に横浜のみでおこなわれた「BCJのクリスマス」。今年は横浜だけでなく東京での公演もあわせて全3公演。その最終公演を聴きに上野からちょっと寄り道してから御茶ノ水へ。
バッハ・コレギウム・ジャパンのクリスマス
Bach Collegium Japan Xmas Special 2004

1.J.S.バッハファンタジア ト長調「ピエス・ドルグ」BWV572
(オルガン:鈴木雅明)
2.M.ルターコラール「異邦人の救い主、来たりたまえ」(1524年)
3.J.S.バッハ「異邦人の救い主、来たりたまえ」BWV659
(オルガン:大塚直哉)
4.シャイン宗教コンチェルト集 より 「異邦人の救い主、来たりたまえ」
(ソプラノ:懸田奈緒子/鈴木美紀子 テノール:水越啓)
5.シュッツ小宗教コンチェルト集 第1巻 より 「異邦人の救い主、来たりたまえ」SWV301
(ソプラノ:懸田奈緒子/藤崎美苗 バス:浦野智行/渡辺祐介)
6.J.S.バッハコラール「異邦人の救い主、来たりたまえ」BWV36/8
7.シュメルツァー三声部のソナタ「パストラーレ」
8.鈴木優人「異邦人の救い主、来たりたまえ」による7声のコントラプンクトゥス
休憩
9.ブクステフーデ「いと美しきかな、暁の明星は」BuxWV223
10.シュッツ小宗教コンチェルト集 第1巻 より 「異邦人の救い主、来たりたまえ」SWV301
11.ビーバー技巧的で楽しい合奏音楽 から パルティア第5番ト短調
12.シュッツ宗教的合唱曲集 から 「み言葉は肉体となり」SWV385
13.シュッツ宗教的合唱曲集 から 「神はそのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された」SWV380
(ソプラノ:懸田奈緒子 アルト:青木洋也 テノール:谷口洋介/水越啓 バス:藤井大輔)
14.シュッツシンフォニア・サクラ集 第2巻 から 「わたしの魂は主をあがめ」SWV344
(ソプラノ:藤崎美苗)
15.シュッツ宗教的合唱曲集 から 「天は神の栄光を物語り」SWV386
16.シュッツダヴィデ詩編曲集 から 「わたしの魂よ、主をたたえよ」SWV39
(重唱 ソプラノ:藤崎美苗 アルト:青木洋也 テノール:谷口洋介 バス:浦野智行)
アンコール
17.シュッツ小教的コンチェルト集 第2巻 から 「今日キリストは生まれたまえり」SWV315
(ソプラノ:懸田奈緒子 テノール:谷口洋介)
18.グルーバー(鈴木優人編曲)きよしこの夜

鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン
ソプラノ懸田奈緒子/鈴木美紀子/藤崎美苗
アルト青木洋也/鈴木環/田村由貴絵
テノール谷口洋介/野村和貴/水越啓
バス浦野智行/藤井大輔/渡辺祐介
ヴァイオリン若松夏美
ヴィオラ・ダ・ガンバ福沢宏
テオルボ佐藤亜紀子
オルガン大塚直哉
指揮/オルガン/ヴァージナル鈴木雅明

2004年12月12日 18:30 日本大学カザルスホール
カザルスホールで演奏会を聞くのは本当に久しぶりだなあと思いつつ御茶ノ水駅からホールへと。ホール横のビルがPark24(駐車場)になっているのにびっくり。

さて前半はホールのユーゲン・アーレント作のオルガンを鈴木雅明が弾くバッハの「ピエス・ドルグ」から。フランス風の華やかさと激しさとが共存した重厚な味わいを持つ曲を、オルガンを存分に鳴らしての壮麗な演奏でした。オルガンの演奏を終えて舞台上に現れた鈴木雅明が「この時期みんな浮き足立っているようであんまり好きじゃないんですよ(笑)」と。続くは「異邦人の救い主、来たりたまえ」いろいろで、ルターのコラールから始まって鈴木優人のコントラプンクトゥスまで計6曲。親しみやすいシャイン、かっちりとしたシュッツ、そしてバッハの自由闊達。それぞれに味が違っていて興味深く聞かせてもらいました。シュッツのソプラノ2人とバス2人という編成も面白さ、ソプラノの伸びやかさと技術の確かさとバスの毅然とした雰囲気のコントラスト。バッハのコラールをBCJで聴くとなんだかほっとするのはあまりにも聴き慣れている(慣れすぎ?)せいでしょうか。「異邦人の救い主、来たりたまえ」いろいろの間に挟まれたシュメルツァーは優しげな表情が実に愉しげ。前半最後の鈴木優人のコントラプンクトゥスは「異邦人の救い主、来たりたまえ」の歌詞を持った曲に、今日の出演者全員が参加できる曲がないということで作られたもの。合唱→ヴァイオリン→合唱→ヴァイオリンと旋律を交互に演奏し最終的にフガートで締められる曲で、ヴァイオリン2本でパズルのように交互に音をつむいでコラール旋律を形作るアイデアは面白く聞きました。

後半も鈴木雅明の弾くブクスデフーデのオルガン曲で開始。ストップを細かく変えて多彩な音色を駆使して、クリスマスらしい雰囲気をチャーミングに表現。このオルガンの特徴を生かした快心の演奏ではなかったでしょうか。最後に鈴を鳴らし、飾りを回転させていたのも雰囲気に相応しかったですね。左右に動いてストップを変えつつ、譜めくりをしと鈴木雅明を見事にアシストしていた大塚直哉にも拍手。続く器楽でのビーバーはヴァイオリンの細かな音の動きが難しそうですが、見事な演奏で楽しい限り。さてここからはシュッツ三昧。「神はそのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された」では "alle" の細かい音の動きに華やかさが欲しいかなと思いましたが、そこは逆にBCJらしいところかも。「わたしの魂は主をあがめ」での藤崎美苗の落ち着きとふくらみの感じられる声とよく練れた歌唱が素晴らしかった。しかし、BCJのソプラノは本当に素晴らしい人ばかりですね(もちろんそういう人を選んでいるのでしょうけど)のような気がしますね。「わたしの魂よ、主をたたえよ」の重唱と合唱の掛け合いは聴き応え充分で、プログラムの最後を飾るに相応しい演奏でした。今日のBCJの合唱は前半やや華やかな響きでしたが、後半はぐっと落ち着いた響きに聞こえました。子音と実際の声とのバランスも後半のほうが落ち着いて聞こえたのはシュッツ作品の性格故でしょうか。

鈴木雅明が「歌い足りない人もいるでしょうから・・・」(今日は昼夜2公演だからそんなことはないと思いますが・・・笑)と話してのアンコールはシュッツの「今日キリストは生まれたまえり」。これも懸田奈緒子と谷口洋介の2人が細かい音の動きを見事に歌って素晴らしい演奏でした。そしてクリスマスの定番「きよしこの夜」がドイツ語で歌われて演奏会は締めくくられました。

昨年も横浜で聞きましたが、今日も愉しい時間をすごすことができました。昨年と比べると鈴木雅明のお話の量が少なかったのはちょっと残念。曲を集中して聴けるという利点はもちろん捨てがたいんですけどね(単なる我儘かな・・・笑)。
らいぶ | comments (3) | trackbacks (3)

Comments

sakaiy22 | 2005/03/06 20:55
TBありがとうございます。相互TBとなりました。
3月21日バッハ誕生日に向けて連続で記事を投稿中ですので、よろしければご覧ください。
今回の記事では、バッハの100年前のシュッツを取り上げてみました。
貴BLOGのこちらの記事でもM.ルター作の曲がありますが、記事作成の途上で、ルターは教会儀式に音楽を積極的に取り入れる人だったとわかりました。
バッハの活動期間によっては教会音楽を作ったり、作らなかったりするのは、仕官先が教会音楽を重視するルター正統派なのか、それ以外(敬虔派、カルビン派)なのか影響されたそうです。
『中年会社員の観察日記』作者
josquin | 2005/03/06 22:58
sakaiy22さん、コメントありがとうございます。

私はもっぱら聴くほうに専念しておりまして、なかなか背景的な知識まで手が回りません(笑)。
中年会社員の観察日記での記事、楽しみにチェックさせていただきます。
sakaiy22 | 2005/03/06 23:43
TBの件、ご指摘いただくまで気づきませんでした。
ご指摘ありがとうございました。

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