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クァルテット・エクセルシオ 第8回定期 ハイドン/バルトーク/ベートーヴェン
クァルテット・エクセルシオ 第8回定期演奏会プログラムの最初はハイドンの「太陽四重奏曲」とも呼ばれる作品20の6番目の作品。丁寧に音を合わせて良好なハーモニー感と適切なテンポで自然な音楽の流れを形作っているのが好印象。いろんな意味で調和が取れている反面、各楽章のキャラクターの違いが明確に聞き手に届いてこない印象有。特に、第3楽章の舞曲性や第4楽章のフーガにはダイナミックな踏み込んだ表現が欲しいし、第1&2楽章での丁寧に歌う第1ヴァイオリンにはもっと主張というか個性を聞かせて欲しいなと思います。
1. ハイドン : 弦楽四重奏曲第36番イ長調作品20-6 2. バルトーク : 弦楽四重奏曲第1番作品7 休憩 3. ベートーヴェン : 弦楽四重奏曲第8番ホ短調作品59-2「ラズモフスキー第2番」 アンコール 4. J.S.バッハ : 「ああ神よ天より見それし」BWV153 から コラール
クァルテット・エクセルシオ
第1ヴァイオリン : 西野ゆか 第2ヴァイオリン : 山田百子 ヴィオラ : 吉田有紀子 チェロ : 大友肇
2004年11月27日 14:00 東京文化会館 小ホール
2曲目はバルトークの第1番。基本的な印象は1曲目のハイドンとほぼ同じで、丁寧に演奏された美しく緊張感のあるバルトークの演奏でした。ここでもバルトークの激しさとか荒々しさみたいなものよりは全体の響きの美しさを重視した印象。終楽章とか第2楽章と第3楽章はもっと勢いや思い切りの良さが欲しい。もちろんバルトークらしい汚い音も聞こえてくるのだけども、とげとしては聞こえずにまろやかに聞こえます。鋭利に磨いた棘を棘として聴きたいというのは聞き手のわがままな要求かなあ・・・。
休憩の後、最後はベートーヴェンのラズモフスキー第2番。第1楽章は残念ながらちょっとバタバタしてしまったかなあ。第2楽章はこのクワルテットの丁寧な音楽作りが生きた慎ましく美しい歌に満ちた好演。第3楽章はフーガ風の中間部と他の部分のコントラストがもっと明確に出ると良かったかも。第4楽章はよくまとめられているけれども、ややこじんまりした印象はぬぐえませんでした。第1ヴァイオリンと他の3人との調和は取れているけれども、やっぱり両者のコントラストが明確に出てこない。下3声はもっとがつがつと弾いていいと思うし、第1ヴァイオリンも下3声をベースに自由自在にふるまう表現があっていいかと。プログラムにメンバの「曲に乗せられてノリノリになってしまうと・・・」というコメントがのっていますが、自制しすぎたのかもしれませんが・・・。
アンコールはバッハのコラール。半終止で終わるのが印象的ですが、このクワルテットの美点である音をきちんとあわせた丁寧な音楽作りが生きた美しい演奏でした。
このクワルテット、基本的には丁寧に合わせられたハーモニーと誠実な音楽作りが好ましいなと思います。今後、表現の幅が広がってくるともっと魅力的なクワルテットに成長するのではないかと思います。
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