ツェートマイヤーが弾くグラウスのヴァイオリン協奏曲は
今日の演奏が世界初演。後半に演奏されるメモリアルイヤーのヤナーチェクも楽しみなアルミンク/新日本フィルを聴きに六本木一丁目へ。
新日本フィルハーモニー交響楽団 サントリーホール・シリーズ 第378回定期演奏会
1. | グラウス | : | ヴァイオリン協奏曲(2004)(世界初演) |
* |
2. | ヤナーチェク | : | 「死者の家から」組曲 |
3. | ヤナーチェク | : | 狂詩曲「タラス・ブーリバ」 |
クリスティアン・アルミンク指揮 | 新日本フィルハーモニー交響楽団 |
| (コンサートマスター:崔文洙) |
ヴィオラ | : | 篠崎友美(1) |
アコーディオン | : | デイヴィッド・ファーマー(1) |
2004年11月26日 19:15 サントリーホール 大ホール
前半は世界初演となるグラウスのヴァイオリン協奏曲。作曲者が指定した(と思われる)オーケストラの配置が面白い。弦は対向配置で1Vn-Va-Vc-2Vn、Va/Vcの後ろにファゴットを並べその後ろにCb、その後ろにティンパニ+打楽器。打楽器は左右にも1Vnと2Vnの後ろにマリンバ、銅鑼を中心にして配置。管楽器は左奥にTp/Fl/Hr、右奥にCl/Ob/Tr/Tbの配置(間違ってたらm(__)m)。そしてヴィオラのソロをLAブロック、アコーディオンを1階の奥のどこかに配置(私の座った2階センター後方からは見えませんでした^^;)。ツェートマイヤーは通常のソリストの位置で演奏。演奏時間は約40分程だったでしょうか。全体に漂う緊張感、さまざまな東洋的な響き、外向的ではない内向的な音楽と聴きました。緊張感ただよう低音楽器にのせた独り言のようなソロ、ツェートマイヤーとヴィオラソロとの親密な対話、笙のよう弦のハーモニクスの分奏、アコーディオンもなんだか洋のテイストではなく東洋もしくは和のテイストに聞こえてくる。ツェートマイヤーのヴァオリンは(作曲家の指示かも)汚い音を使って内面を表現しているかのよう。アルミンク指揮のオケも緊張感を失わない演奏でした。ただ、オケはもう少し妖しさみたいなものがでても良かったかなあと感じました。
後半はいつもの通常配置(Va外側で16型)のに戻ってヤナーチェクを2題。「死者の家から」も「タラス・ブーリバ」も死をテーマにした作品ですが、聴いてみると深刻ではなくて明るい。どちらの曲においても響きの良くのった艶のあるヴァイオリンを中心とした弦楽器の音色が美しく、アルミンクの面目躍如といったところ。「死者の家から」第1曲のコンサートマスターと第2ヴァイオリン主席のSoliとヴァイオリンの掛け合い、「タラス・ブーリバ」での1Vn→2Vn→Vaと同じフレーズを追っかけていく部分等は美しい限り。どちらかというと金管の安定度が勝った「タラス・ブーリバ」のほうが良かったように聞きました。「タラス・ブーリバ」でのオルガンの控えめな使い方も、グラゴル・ミサの派手な使い方と違って印象的でした。曲の性格もあるとは思いますがヤナーチェクの土臭さは控えめですが、全体的に美しく色彩感のある響きに彩られたヤナーチェクの演奏だったように思います。
Comments