えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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飯森/都響 サマーフェスティバル ストラヴィンスキー

都響はほぼ一月前にゲルギエフの指揮で春の祭典を演奏したばかり。鉄の匂いがしそうな前半のプログラムも面白そうだし、春祭を聞き比べてみようかと思いサントリーホールへ出かけました。
サントリー音楽財団サマーフェスティバル 2004 MUSIC TODAY 21 20世紀の槌音 管弦楽 メカニクスとバレエ

1.オネゲル交響的運動第1番「パシフィック231」
2.プロコフィエフ組曲「鋼鉄の歩み」
3.モソロフ交響的エピソード「鉄工場」
休憩
4.ストラヴィンスキーバレエ音楽「春の祭典」

飯森範親指揮東京都交響楽団
(コンサートマスター:山本友重)

2004年8月27日 19:00 サントリーホール 大ホール
コンサートでの飯森の指揮は久しぶりかもしれません。直線的なストレートさとと思い切りの良さが印象に残っています。今日の演奏を聴くとたてだけでなくて、横へも音楽を広げて変化が感じられます。

まずはオネゲルのパシフィック231。題名のとおり機関車パシフィック231の発車〜走行を音で描いた作品。低弦とチューバのずっしりとした重心の低いオケの音と、飯森のストレートな音楽作りが功を奏していたと思います。続くプロコフィエフの鋼鉄の歩みは同名のバレエ音楽からの編作で4曲構成。ソヴィエトの工業発展を題材にしたもの。リズミカルかつアイロニカルなプロコフィエフの特徴が良く出ていました。また3曲目の「ブレスレットをつけた労働者」ではブレスレットを示すチャーミングな音の動きが印象的で、飯森の表現の幅が広がってきているのを感じました。前半最後のモソロフの鉄工場はこれも題名のとおり、鉄工場のがっしゃんどっしゃんをそのまま音で描いたもの。最初から最後まで一気呵成に突き進む音楽が飯森の特質にマッチした演奏だったかと。でも曲自身が魅力的かというと「どうかなあ」とも思いました。

後半は春の祭典です。先月、都響はゲルギエフと演奏しているだけに、飯森に分が悪いなあと思っていましたがなかなか聴き応えのある好演でした。大音量での思い切りの良さ、直線的な追い込みの迫力に加えてメロディックな部分の歌わせ方のセンス。的確な指揮でオケを上手に導いていましたし、大音量でも整然とした音をオケから引き出していました。欲を言えば同じリズムの繰り返しでの表情付けや、大音量が続くところでの一味があるともっと素晴らしかったのではないでしょうか。ゲルギエフとは違い(当然ですけどね)、ある意味健康的な春祭と言えるかもしれません。

今日の演奏を聴いて、ちょっと飯森さんの注目度をあげようかなと思ってます。
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