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コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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ベルティーニ/東京都響 マーラー・シリーズ 2000〜2004 第10回 第9番

マーラー週間第3弾、ベルティーニのツィクルス最終回を聞きにみなとみらいへ。
ガリー・ベルティーニ指揮 東京都交響楽団 マーラー・シリーズ 2000〜2004 第10回

・マーラー:交響曲第9番ニ長調

ガリー・ベルティーニ指揮東京都交響楽団
(コンサートマスター:山本友重)

2004年5月30日 14:00 横浜みなとみらいホール 大ホール
足掛け5年のマーラー・ツィクルス最終回、そしてベルティーニの都響音楽監督としての最後の演奏会、曲目は作曲家が完成した最後の交響曲である第9番。ホール前には全席完売(こうでなくては!)の掲示。聞く前から普通の演奏会とは異なる感慨が・・・。

いつものように、指揮台にあがった後の長い間。そしてチェロ→ホルンの同音リズム、ハープの上昇→下降音形。そしてセカンド・ヴァイオリンの下降音形から始まるメロディーがやさしく奏でられ、それを引き継ぐファースト・ヴァイオリンがまるでため息のように歌う。ひとつひとつの音形やメロディーをじっくりと確かめるような歩み。ダイナミックなところは早めのテンポできりっと引き締め、叙情的なところは遅めのテンポでじっくりと。マーラーの音楽を誇大に表現するのではなく、等身大の人間の音楽としてシンプルに奏でることに徹した演奏。しかも全体をやさしく包み込む、大きな大きな包容力。まだまだ血気盛んなゲルギエフでは到底到達し得ない、ベルティーニの到達した澄みきった境地。期せずして3拍子揃ってしまった「最後」にふさわしい、素晴らしく感動的な演奏でした。

第1楽章の淡々としているけども、表情豊かな歌。第2楽章のレントラー各部の明快な描き分けと、きめ細かく指示されたフレージングによる立体感。第3楽章の叫びを阿鼻叫喚ではなく、ゆったりとした中間部との対比で表現した見事さ。そして第4楽章、シンプルにじっくりと深く・・・。聞き手だけでなく演奏者さえ感極まってしまったかと思われる揺れ(これには本当にこちらもぐっと来てしまいましたよ>チェロの田中さん)。最後の叫びの後の終焉までにいたる道程、本当にシンプルな美しさとにじみでるやさしさ。そして、最後の音がホールに消えた後の静寂。演奏開始からの演奏者と聞き手のいいコラボレーションが完結した瞬間でした。

都響も長年連れ添ったベルティーニの要求に非常に良く応えていました。特に、弦楽セクションと第3楽章の難所を素晴らしく吹ききった、トランペット主席に最大級の拍手を送りたいと思います。

オケが舞台から去った後も、満場のスタンディング・オベイションでマエストロを2度舞台へ。

ベルティーニ、次回はいつ我々の前に姿をみせてくれるのでしょうか。退任発表の文章にあった「ベルティーニ氏は今後も東京都交響楽団の指揮台に立つことになっております。」を「継続的に」実現して欲しいものです。
らいぶ | comments (1) | trackbacks (4)

Comments

Cantelli | 2017/02/08 20:57
ベルティーニ 都響 マーラー
Why do not issue No.1,2,3,5 recording? Is this fair?

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Trackbacks

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