えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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ポリーニ ピアノ・リサイタル Program A シェーンベルク/ベートーヴェン/シューマン

2002年秋のポリーニ・プロジェクト以来の来日。リサイタルを聞きにGW2度目の横浜ベイエリアへ。
マウリツィオ・ポリーニ ピアノ・リサイタル Program A

1. シェーンベルク:6つのピアノ小品作品19
2. ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番ニ長調作品10-3
3. ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番ハ短調作品13「悲愴」
4. シェーンベルク:3つのピアノ曲作品11
5. シューマン:幻想曲ハ長調作品17
6. シューマン:幻想小品集作品12 より 第2曲「飛翔」(アンコール)
7. ショパン:夜想曲第8番変ニ長調作品27-2(アンコール)
8. ショパン:12の練習曲集作品10 から 第4番嬰ハ短調(アンコール)

ピアノ:マウリツィオ・ポリーニ

2004年5月3日 19:00 横浜みなとみらいホール 大ホール


最初はシェーンベルクの6つの小品。ウェーベルンに影響を受けたと思われる凝縮された世界を、実に美しく磨かれた音でポリーニが描いてきます。短いながらもそこはかとなく漂ってくるロマンティシズム、第4曲のメリハリの効いたピアニズム、そして終曲の美しい葬送の鐘の音。この曲、ポリーニのために書かれたといっても過言ではないでしょう。

続いてベートーヴェンのソナタを2曲。なんといっても、第7番の第2楽章が絶品でした。シェーンベルクの6つの小品の終曲との関連を思わせるような弔いのような感情が深くこめられた歌の素晴らしさ、これだけ深い思いが込められていても音楽のフォルムが崩れないのはさすがとしか言い様がありません。続く第3楽章の慰めのような優しい出だしも絶妙でした。悲愴ソナタは第1楽章の低音のリズムと中音域のメロディーとの強烈なコントラスト、第2楽章のでこぼこのない人が歌っているような滑らかな歌、そして終楽章のメランコリックなメロディーの作為なく自然な表現。

休憩後はシェーンベルクの3つの小品。6つの小品よりもシェーンベルク色が濃い曲と言えましょうか。ここでもポリーニが弾くとなんて美しい音楽に聞こえるのでしょう。ポリーニだったら全曲新ウィーン楽派のプログラムでも是非聞きたいと思わせる見事な演奏でした。

最後はシューマンの幻想曲。ポリーニの演奏はもちろん素晴らしいと思うのですが、今日の演奏された他の曲と比べて曲自体の持つ密度みたいなものが足りないような気がしてなりませんでした。私がこの曲に慣れていないだけかもしれませんが・・・。

アンコールの3曲はいずれも見事というしかない演奏。特に、最後のショパンの練習曲は完璧としか言いようがない推進力に満ちた音楽で圧倒的でした。
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