えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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K.コヴァーチ/渡辺美佐子/E.ルカーチ/日本フィル 東京定期 バルトーク:青ひげ公の城

バルトーク唯一のオペラであるこの作品にjosquinが接するのは2000年11月に新国立劇場(中劇場)でおこなわれた上演(青戸知/渡辺美佐子/飯守泰次郎/新生日響)以来。その後は2003年7月のコチシュ/ハンガリー国立フィルの来日公演や昨年3月のスローン/都響と機会はあったものの、スケジュールが合わずに聞くことが叶わなかった作品。日本フィルを聞くのも昨年9月に沼尻竜典が振ったツェムリンスキーの抒情交響曲以来でおよそ半年ぶり。今日は後半を割引価格で聞ける「ビジネスマンの得券」を狙って、ルカーチの振るバルトーク「青ひげ公の城」を楽しみに六本木一丁目へ。
日本フィルハーモニー交響楽団 第578回東京定期演奏会

2.バルトークオペラ「青ひげ公の城」
(演奏会形式、原語上演、字幕付)

ユディット渡辺美佐子
青ひげ公/吟遊詩人コヴァーチ・コロシュ

ルカーチ・エルヴィン指揮日本フィルハーモニー交響楽団
(コンサートマスター:木野雅之)

オルガン長井浩美

2006年3月16日 19:00 サントリーホール 大ホール
プログラムの前半は河村尚子をソリストに迎えたリストのピアノ協奏曲第2番、アンコールは演奏されなかった模様です。

舞台上に揃った日本フィルの弦楽は1Vn-2Vn-Vc-Va/Cb右の並び、各パートの人数は16-16-12-10-8の。オルガン前通路の左側にトランペット、右側にトロンボーンが4本ずつのバンダが配置されています。

このオペラの開始を告げるのは吟遊詩人の語り、今日は青ひげ公役を歌うコヴァーチ・コロシュが兼任しています。そのコヴァーチは透明感の高さと深みを併せ持つ声で、明瞭かつ的確に語っていく様は実に渋い。エルヴィン・ルカーチの棒の下、日本フィルが音楽を奏で青ひげ公役を歌い始めても、コヴァーチは実に巧みな表現力で聞かせます。ある時は毅然と、ある時は優しくユディットを導くコヴァーチ。josquinはハンガリー語は分からないけれども、彼の歌を聞いて「こんなことを歌っているんだろうなあ」とイメージするものが、字幕とほぼ合致している。決して音量の豊かさや声の強さで聞かせる歌手ではないものの、役の隅々まで完全に把握した見事な歌唱でした。今日はこの人を聞けただけでも満足かも。

青ひげ公に対するユディット役は、前述の新国立劇場の公演でも同じ役を歌っていた渡辺美佐子。声量の豊かさとドラマティックな表現力が持ち味ですが、コヴァーチと較べてしまうとやや聴きお取りしてしまうのは致し方ないところ。もう少しヴィブラートが収束し、声のエッジが立ってくると印象が良くなるのではないでしょうか。後半、第5の扉以降は充実した歌唱を披露してくれました。

日本フィルの首席客演指揮者を務めるルカーチ・エルヴィンは、josquinにとって初めて耳にする指揮者。1928年生まれのベテランマエストロは、まったくけれんのない誠実な姿勢で音楽を接しているのが良く分かる指揮者だなと。日本フィルから終始安定したアンサンブルを引き出し、歌手とのバランスに配慮し、要所をきっちりと押さえる棒は非常に好感が持てます。ただ、もう少しバルトークの音楽のリズムの切れや底光りするような響きの妙が欲しいところ。まあこれは、日本フィルの高弦のややシルクタッチの明るい音色とバルトークの音楽とのマッチングの問題かもしれませんが・・・。第5の扉が開いたときのオルガンとトランペットとトロンボーンの壮麗なサウンド(ここでのオルガン側の壁を明るくした照明演出は効果的)を頂点とし、幕切れに向かってじっくりと内的な充実を増していく音楽作りは見事なものでした。

「ビジネスマンの得券」で聞く日本フィル東京定期、次回は6月の父ヤルヴィ(ショスタコーヴィチ「革命」)7月の沼尻竜典(ラヴェル「ダフニスとクロエ」)あたりを狙ってみるつもりです(笑)。
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