藤原歌劇団 アルジェのイタリア女 Aキャスト
藤原歌劇団 アルジェのイタリア女
イザベッラ:アグネス・バルツァ
ムスタファ:ロレンツォ・レガッツォ
エルヴィーラ:斉田正子
ズールマ:牛坂洋美
リンドーロ:アントニス・コロネオス
タッデオ:ロベルト・デ・カンディア
ハリー:佐藤泰弘
コッラード・ロヴァーリス指揮 東京フィルハーモニー交響楽団 藤原歌劇団合唱部
演出/装置/衣裳:ジャン=ピエール・ポネル
2004年3月14日(日) 15:00 東京文化会館大ホール
まずはなんといっても、バルツァのイザベッラが見事の一言につきます。声の艶っぽさが減じていたり、ヴィブラートもきつくはなっいたりはしますが、こういう男を手玉にとるような役をやらせるとさすがにうまい。完全に手の内に入っていて自由自在の歌い口、言葉の切れも抜群、音の転がしだってうまいもんです。まだまだ健在です彼女。
レガッツォのとぼけた味のムスタファ、明るく歯切れの良いカンディアのタッデオ、佐藤美枝子の代役を見事につとめた斉田のエルヴィーラそして持ち前のキャラクターを生かした牛坂と佐藤。みなさん良かったと思います。
リンドーロ役のコロネオスはロッシーニテナーといえる軽い声の持ち主ですが、今日は調子がいまいちだったのか安定性にかけたのが残念でした。
ロヴァーリス指揮の東京フィルがまた良かった。序曲から生き生きとした音楽を奏でていましたし、1幕の最後のスリリングなアンサンブルも見事でした。1幕のリンドーロのアリアのホルンソロは特筆ものでした。ロヴァーリスという指揮者なかなかいいですね。また機会があれば呼んでほしいですね。
亡きポネルの演出は雰囲気のあるオーソドックスで質感のある舞台と、あちこちにちりばめられた笑いがとてもバランスがとれていていい演出だったと思います。
去年のイタリアのトルコ人からはじまったロッシーニのシリーズ、来年はチェネレントラのようです。楽しみにしたいと思います。
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