えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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ノット指揮 バンベルク交響楽団

若者連荘二本目。
東芝グランドコンサート2004

1. ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第3番作品72b
2. シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
3. パガニーニ:カプリース作品1 から 第5曲(アンコール)
4. ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
5. リゲティ:ルーマニア協奏曲 第4楽章(アンコール)
6. ブラームス:ハンガリー舞曲第5番ト短調(アンコール)

ヴァイオリン:五嶋龍(2,3)
ジョナサン・ノット指揮 バンベルク交響楽団(1,2,4,5,6)

2004年2月28日 18:00 サントリーホール 大ホール


若者連荘とは書いてみたものの、私的にはバンベルク響とノットに興味のある演奏会。

バンベルク響はヨッフムやシュタインのCDや放送で親しんだオケで、派手ではないんですが味のあるサウンドが魅力的で一度生で聞いてみたかったんです。定期的に来日はしているんですが、いままでスケジュールがなかなか合わなかったのでやっとという感じです。

というわけで生バンベルク響はどうだったかというと、いいオケですねやはり。派手さのないややくすんだ感じの味のある音色。そしてその音色がパート間で違うということがなくて見事に揃っている。こんなに揃っているオケって世界中探してもそんなにないんじゃなかろうか?

そんなオケの特色が生きたのはブラ1でしょうか。2楽章や終楽章の弦の中間色の味わいや木管のソロの見事さ。金管も終楽章のトロンボーンのコラールのハーモニーは美しかったし、フィナーレちょっと前の同じコラール旋律の全合奏のところなんてまるでオルガンのよう。

ノットの指揮もオケの長所をうまく生かしていていて好感が持てました。オケの音色を損なわないオケ捌きは見事でした。

五嶋龍は2002年の10月にアシュケナージ指揮のフィルハーモニア管とのチャイコフスキーを聞いて以来2度目。そのときより響きが増していて美しくなっていました。第1楽章で弓のトラブルで毛の張力が無くなってしまうというトラブルもありちょっと不運もありました(セカンドのトップの人と交換してました)が、それを差し引いてもノットにかなり助けられたかなという印象が大きいです。自分でこう弾こうという意思みたいなものがもっと欲しいですね。まあまだ若いので今後に期待ということで・・・。

アンコールのリゲティの曲はなかなか面白い曲ですね。シャブリエのスペイン狂詩曲みたいな雰囲気が漂っていたし、各パートのソロもいろいろあるし。一度全曲聞いてみたいものです。

フジテレビが映像収録してました。でも地上波では五嶋龍のオデッセイで一部使われるくらいだろうなあ・・・。

[追記 2004.3.3]
ブラ1第1楽章の提示部、繰り返しを実行してました。実演ではなかなか耳にできないので貴重な演奏でした。あっしの記憶にある限りだと、2000年9月サントリーホールでの朝比奈隆指揮新日本フィルの演奏以来の遭遇。

[追記 2004.8.28]
フジテレビ毎年恒例の「五嶋龍のオデッセイ」によれば結局彼は3本の弓を使ったとのこと。第1楽章途中まではメインの弓、第1楽章途中から第2楽章までは第2ヴァイオリン奏者の弓、そして第3楽章は五嶋龍自身のスペアの弓(てっきり最初の弓を修理したものと思ってました)だそうです。
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