二期会「エジプトのヘレナ」 Aキャスト
東京二期会オペラ劇場 エジプトのヘレナ
R.シュトラウス:歌劇「エジプトのヘレナ」
へレナ:横山恵子
メネラス:福井敬
アイトラ:佐竹由美
アルタイル:小川裕二
ダ=ウド:望月哲也
第一の侍女:小林菜美
第二の侍女:堪山貴子
第一の妖精:品田昭子
第二の妖精:羽山弘子
第三の妖精:杉田美紀
第四の妖精:池田香織
全知の貝殻:村松桂子
若杉弘指揮 東京フィルハーモニー交響楽団 二期会合唱団
演出:鈴木敬介
舞台美術:シュテファニー・エンゲルン
2004年2月22日 14:00 東京文化会館 大ホール
今回が日本初演(20日初日ですから正確は三日目ですが)となる「エジプトのヘレナ」。昨年夏の「薔薇の騎士」も充実した上演でしたので今回も期待して・・・。
主役陣から脇役までほんとうに穴がなくてそろったキャストだったと思います。特にヘレナの横山、メネラスの福井そしてアイトラの佐竹の主役三人は見事だったと思います。でも少し言うならば、横山は高音部での響きの充実、福井は低い音域での充実を望みたいです。
若杉弘は奇をてらったところがなく、R.シュトラウスのスコアを正面から捕らえた指揮。歌手とのバランスを上手に取った上で、R.シュトラウスならでわのサウンドとスケール感を東京フィルから引き出していました。こういう曲を振らせるとうまいですねやはり。東京フィルもそれに充分応えていたと思います。
鈴木の演出は読み替えの類は一切なく非常にオーソドックスで安心して音楽に集中できました。1幕の全知の貝殻が宙吊りでした(笑)。これまた1幕のヘレナのが眠りからさめて再登場するところで衣装と照明で印象付けるやりかたは、大げさな感じではないのがかえって印象的。2幕の兵士の動きはややせかせかした感じがしました。舞台装置は時代がかったものではなく、シンプルで好感のもてるものでした。衣装面では女性の衣装のカラフルさが印象的、でもそれに対して男性の衣装はメネラスを除いてはみすぼらしい感じがしました(それが狙いなのかもしれませんが・・・)。
日本初演にふさわしい充実した上演でありました。
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