えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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メイエ/ヘンヒェン/紀尾井シンフォニエッタ 定期演奏会 ハルトマン/モーツァルト

紀尾井シンフォニエッタを聞くのは昨年2月のボッセとの定期演奏会以来。彼らが来月にドレスデン音楽祭へ出演する際に演奏するプログラムを聴きに錦糸町から四谷へ。
紀尾井シンフォニエッタ 東京 第49回定期演奏会

1.ハルトマンクラリネット、弦楽四重奏、弦楽オーケストラのための室内協奏曲
アンコール
2ウェーバークラリネット五重奏曲変ロ長調作品34 から 第4楽章
休憩
3.モーツァルト「エジプト王タモス」K.345(336a) より 幕間の音楽
4.モーツァルト交響曲第35番ニ長調 K.385「ハフナー」
アンコール
5.シューベルトロザムンデ から 間奏曲第3番

クラリネットポール・メイエ(1&2)
弦楽四重奏Kioi Quartet(1)
ヴァイオリン豊嶋泰嗣
第2ヴァイオリン玉井菜採
ヴィオラ馬渕昌子
チェロ丸山泰雄

ハルトムート・ヘンヒェン指揮(1,3,4&5)紀尾井シンフォニエッタ 東京
(コンサートマスター:原田幸一郎)

2005年4月2日 18:00 紀尾井ホール
事前にチケットを予約していなかったこともあって、ホールに着いたときには既に当日券完売(^_^;)。キャンセル待ちに登録をして待つと無事チケットを購入することが出来てほっとしました(^^♪。

プログラムの最初はクラリネットの名手メイエを迎えてのカール・アマデウス・ハルトマン(1905-63)の作品。ハルトマンはナチスによって退廃音楽との烙印を押されてしまった作曲家の一人。この曲も1930/35年に作曲されたものの、発表することができずにハルトマンの死後6年を経た1969年に世界初演されたという経緯を持ちます。曲はおおきく分けて「序奏」「6つの変奏曲」「幻想曲」の三つ部分から成り立っています。「序奏」は厚みがありながら凝縮度の高いサウンドで音楽を奏でるヘンヒェン指揮する弦楽オーケストラの響きとメイエの明るい音色と生き生きとした表現がとても印象的。クラリネットが指輪のブリュンヒルデの動機に似たモティーフを繰り返しながら進む音楽はなにやら暗示的。「6つの変奏曲」ではメイエの生き生きとした吹きっぷりが見事。「幻想曲」で曲は今までと一転して内省的な音楽。メイエが絶妙なピアニッシモでのコントロールを効かせながら、ひたすら静謐に曲を表現していて素晴らしい演奏でした。この曲、作曲年代からすると保守的かもしれませんがもっと演奏機会があっても良い佳曲のように聴きました。

アンコールは "happy music" とメイエ自身が紹介してのウェーバーのクラリネット五重奏曲のフィナーレ。指揮者無しの弦楽合奏を従えての演奏。メイエの明るい音色と見事な技巧を駆使しての、愉しく生き生きとした演奏でした。本当にハッピーミュージックでした。

後半はもう一人のアマデウス、モーツァルトの作品を二つ。どちらの曲でもヘンヒェンはしっかりと歩むテンポで曲を進めていきます。そして、紀尾井シンフォニエッタからがっちりと厚みのあるサウンドを引き出して、がっちりとした構築感を味あわせてくれます。人によってはもうちょっとチャーミングな味が欲しいなあという向きもあるかもしれませんが、聞き応え充分のシンフォニックなモーツァルトでした。

アンコールはシューベルトのロザムンデの間奏曲第3番が演奏されました。クラリネットを中心とした木管の歌が素晴らしい好演でした。

今日の紀尾井シンフォニエッタの編成は、ハルトマン作品のみ7-5-4-3-2で他の曲は8-6-5-4-2。配置はヴィオラ外側の通常の配置でした。
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