広上淳一指揮 新日本フィル 名曲シリーズ
新日本フィルハーモニー交響楽団 クラシックへの扉〜名曲シリーズ 第42回
1. モーツァルト:モテット「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」K.165(158a)
2. チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」
3. チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ(アンコール)
ソプラノ:林正子(1)
広上淳一指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団
2004年2月14日 15:00 すみだトリフォニーホール
月曜日に素晴らしいショスタコを聞かせてくれた広上と新日本フィル。今日もチャイコフスキーに期待して錦糸町へ。
モーツァルトのモテットを歌ったのは林正子。伸びもあるし量感も充分でなめらか。良い声をしていると思います。でも調子がいまいちなのかこの曲に鳴れていないのかどうもしっくりこない感じで、2部の音程もややぶらさがり気味。素材は良い人だと思うので別の機会にまた聞いてみたいです。オケは好演でした。
お目当ての悲愴。広上の思いがストレートにあらわされた演奏ではなかったでしょうか。第1楽章の壮絶なクライマックス、あっさりとした第2楽章、ダイナミックに盛り上げた第3楽章。でもここまでは広上とオケの一体感がいまいちだったようなきがするんです。しかし、今日の白眉は沸き起こった拍手を制して始められた終楽章。ファゴットと絡んだ弦の暗く沈んだ表情、それに続くホルンのリズムに乗ったこれまた弦の歌。ここで涙腺緩んでしまいました。その後は広上の思いを十全に表現するオケに脱帽。クライマックスも思いの丈を注入されたオケの素晴らしいこと。そしてコントラバスの持続音から始まるコーダ。段々と持続音が弱くなっていき静寂へ。素晴らしい演奏でした。
フライングではなかったもし静寂もきちんとあったけれど、拍手もう少しだけ待って欲しかったなあ。
アンコールはアンダンテカンタービレ。気持ちを静めるのにはよかったかもしれません。
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