広上淳一指揮 新日本フィル サントリーシリーズ
新日本フィルハーモニー交響楽団 サントリホール・シリーズ 第366回定期演奏会
1. ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲
2. ディーリアス:ヴァイオリン協奏曲
3. イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番「バラード」作品27-3(アンコール)
4. ショスタコーヴィチ:交響曲第15番イ長調作品141
ヴァイオリン:タスミン・リトル(2,3)
広上淳一指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団(1,2,4)
2004年2月9日 19:15 サントリーホール 大ホール
ウィリアム・テルとタコ15番を組み合わせた、意図(引用元と引用先)丸見え(?)なプログラム。これでジークフリートの葬送行進曲でも入っていたら完璧!?
まずはウィリアム・テル序曲。4つの場面どれもとっても表情豊かだったし、重くならずにロッシーニらしい軽さがあって楽しめました。最初のチェロ(渋い!)&チェロセクション(アンサンブル良好!)に拍手。
ディーリアスは始めて聞く曲。なんだか協奏曲というよりは幻想曲といった趣の作品。朝もやみたいな伴奏の上をヴァイオリンが歌っていくという、ある種環境音楽っぽいところも。とても綺麗な曲で肩の力を抜いてきくととても良い気分になれるかも。リトルのソロもフレージングが丁寧で好感を持ちました。アンコールにイザイを演奏してくれました、実に見事な演奏でした。今度は別系統の協奏曲を聞いてみたいですね。
メインのショスタコ。おちゃらけてるのか深刻なのかどっちにも取れるこの曲ですが、ニュートラルに聞かせてくれました。第1楽章のウィリアム・テルの引用が出てくるマーチ風な音楽も過度にお祭り騒ぎになっていないし、第2・4楽章も妙に深刻になることなく丁寧な仕上がり具合に好感を持ちました。どこをとっても表情豊かなのは広上の音楽の特徴でしょう。良い意味で「どうとるかは皆様にお任せしますよ」といっているような・・・。オケもソロはばっちりだし、pp方向のコントロールも見事。奇々怪々なところのある井上道義とは違った方向ですが、なかなか良い演奏でした。
土曜日もこのコンビの悲愴にもいく予定。
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