リフシッツ ピアノ・リサイタル
コンスタンチン・リフシッツ ピアノ リサイタル
オール・ベートーヴェン・プログラム
ピアノ・ソナタ第12番変イ長調作品26「葬送」
ピアノ・ソナタ第27番ホ短調作品90
ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調作品106 「ハンマークラヴィ−ア」
アンコール
ピアノ・ソナタ第20番ト長調作品49-2 より 第2楽章
バッハ:パルティータ第6番ホ短調BWV830 より サラバンド
ピアノ:コンスタンチン・リフシッツ
2004年2月14日 18:00 トッパンホール
リフシッツは確か何年か前にさいたま芸術劇場のピアニスト100で聞いたことがあるような気がします(記憶曖昧)。ベートーヴェン・プログラムでハンマークラヴィーアが入っているのに惹かれて錦糸町から黄色い電車に乗って飯田橋へ。
前半の2曲は各楽章のコントラストが良く出ていたし、全体の構成感がしっかりしているのがベートーヴェンらしくて良かった。音もくっきりしていて充実感があるし、左手がとてもしっかりしているので足場が固まっているのがいいですね。
ハンマークラヴィーア、やはりこれは凄い曲ですわ。少し力が入りすぎたのか第1楽章の提示部の一度目ではややがちゃがちゃしてしまったものの、リピートした後はいつものペースになっとりました。冒頭の2つのモティーフの提示、充実した音とリズムでひとつめ。最後の音を長く引っ張って、かなり間をとってふたつめ。こんな間をとったのを聞いたのは始めて。何回か出てくる同じような個所も間の取り方が自由で独特でした。でも音も含めて全体の構築感がしっかりとしているので不思議と不自然な感じがしませんでした。ほとんどアタッカで弾かれたスケルツォも見事な弾きっぷり。第3楽章は思い入れたっぷりですが停滞する感じはなくて流れも良好。終楽章のフーガはこれも見事。充実した音と各声部がくっきりと聞こえてくるのには感心。全体のスケール感も充分で聞き応え十分な好演でした。
元気な若者はアンコールを2曲も。ベートーヴェンも良かったけれど、ロマンティックに弾かれたバッハも印象的でした。
このホール、一昨年エストニア・フィルハーモニック室内合唱団を聞いて以来今回で3度目。前回は合唱を聞くには響きが不足気味かなと思ったのですが、ピアノを聞くには丁度良さそうです。
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