えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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ラトル/ベルリン・フィル ドヴォルザーク/マーラー

ラトル/ベルリン・フィル三連荘最終日。今回のベルリン・フィル来日公演で個人的に一番楽しみにしていたのが今日のマーラー。昨日に続いて、今日も上野へ。
サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

1.ドヴォルザーク交響詩「野ばと」作品110 B.198
休憩
2.マーラー交響曲第5番嬰ハ短調

サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(コンサートマスター:ガイ・ブラウンシュタイン)

2004年11月16日 19:00 東京文化会館 大ホール
16型の編成でまずはドヴォルザークの野ばと。初めて聴く曲ですが悲しみに満ちた両端部分。親しみやすいメロディーにあふれた中間部分。葬送のようにじっくりと演奏された両端部、中間部は親しみやすいメロディーに適度なメリハリをつけて緊張感を保った演奏でした。ただ単に曲を素直に演奏するだけでなく、メリハリをつけることによって緊張感や彫りの深さを出していたのが印象的でした。葬送行進曲風なところは、後半のマーラーにつなげることを意図したプログラミングでしょう。

(帰宅後とあるCDを開封してこの曲の解説を読んだところ、やはり葬送とのこと。ついでに5部構成の曲だそうで、そんなところもマーラーとつながりますね。)

休憩後は昨年のラトルの就任記念のオープニングでも演奏されたお目当てのマーラーの5番。トランペットをはじめとして随所に出てくる「タタタター」の動機の明確化、とぼとぼと歩くような足取りで進む葬送行進曲(野ばとの関連も演奏で感じさせてくれますね)、終結部直前のフォルティッシモでの強烈な痛みの表現。要のトランペット・ソロも終始安定した演奏で頼もしい限り。続く第2楽章冒頭部の激しい嵐、対照的にポルタメントを効果的に利用した悲しみ、ティンパニのピアニッシモに支えられたチェロのメロディーの物悲しさ、弦を中心にしたうねるような濃厚な表現。ここでも「タタタタ」のリズムの意識的な明確化が聴かれます。第2楽章が終わるとホルン主席のドールが舞台前方のコンチェルトを吹くような位置へ移動。昨年の就任披露を含めて最近あちこちでやられているみたいですが私は始めての実体験。そのドールのホルンが素晴らしい。明るくうきうきとした表現、ここぞというときの咆哮、そしてピアニッシモ方向での絶妙なコントロール、いろんなパレットを効果的に出し入れが見事。ラトルも各部分のキャラクターを明確に描いており素晴らしい演奏。ドールのホルンとのバランスも普通に聴くよりはホルンが前に出てきますが、それほど違和感なく聴きことが出来ました。ドールが自席に戻って、第4楽章。冒頭のヴィオラから始まる柔らかく音が積み重なっていくところからして、充分に静謐で美しいこと。感傷に溺れず、フォルムを崩さずに美しい音楽が紡がれていく。ピアニッシモの美しさは出色。第4楽章の音が消えると同時に、第5楽章の開始を告げるホルンの単音が鳴ると、第4楽章の余韻を残すようなヴァイオリンの持続音が続き、またホルンが呼応し木管が「さてどの方向にいこうか」とやりとりを始める、またホルンが「こうかな?」また木管が「どうだろう?」、そしてまたホルンが「これでいこう!」てなやりとりが如実にわかる表現の余裕。ここからさきはもうラトルの手綱捌きの見事さと、それに見事に反応するオーケストラの見事さを眺めるしかない(笑)。あちこちのパートが反応しあって呼応するさま、ルーチンではない即興性の表出、一丸となって弾く弦楽器陣の表現力の凄み、そしてラトルの鞭に呼応し一丸となってフィナーレへなだれ込む凄み。オーケストラを聴く醍醐味を堪能しましたわほんとに。全体を見渡してもベルリン・フィルの持つ重量感のある低音域と高度な機能性が一番バランスの良い形であらわされていた演奏ではなかったでしょうか。

今回の私のラトル/ベルリン・フィル詣ではこれで終了。次回はいつ来日してくれるのでしょうか、楽しみにして待ちたいと思います。
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ラトル/ベルリン・フィル@東京文化 | CLASSICA - What's New! | 2004/11/20 02:31
●ある頃から演奏中であれ休憩中であれコンサートを心置きなく楽しめないようになったので、ワタシはコンサートゴアーではなくCDリスナーなのであるが、いろいろ考えて今秋はベルリン・フィルとウィーン・フィルを...
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