パユ/サヴァリッシュ/N響 B定期 シューマン/イベール/ブラームス
ウィーン響とは違って、こちらはチケット完売の公演。今回、サヴァリッシュを聞けるのはスケジュール的に今日しかない。初台から寄り道せずに移動。主催者からもらった整理券は30番台後半。「ちょっと微妙かも」と思いつつ、先に食事を済ませて開演15分前の売出しを待つ。あと残り数枚というところで、なんとかゲット(^^♪してホール内へ。
NHK交響楽団 1525回定期演奏会 B programホールに入り、自席に座ってほぼすぐに楽員達が舞台に登場。今日はヴィオラにベルリン・フィルのワルター・キュスナー氏がエキストラで出演するとのこと(第2プルトの表、トップは川崎和憲氏)。チューニングも終わって、サヴァリッシュがゆっくりとした歩みで指揮台へ。拍手に応え、指揮台上に準備された椅子へ。抑制された動きの棒で、シューマンの音楽が流れ出します。なんと澄み切った、美しいシューマンでしょうか。余分な雑念が全く感じられずに、美しく整えられたアンサンブルで音楽が停滞せずに流れていきます。数年前まで感じられた「整えてやろう」みたいなところは全くなくて、実に自然で清澄で暖かい音楽で素晴らしい限り。
1. シューマン : 序曲、スケルツォとフィナーレ 作品52 2. イベール : フルート協奏曲 休憩 3. ブラームス : 交響曲第1番ハ短調作品68
フルート : エマニュエル・パユ(2)
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮 NHK交響楽団 (コンサートマスター:堀正文)
2004年11月3日 19:00 サントリーホール 大ホール
次はパユをソリストに迎えたイベールの協奏曲。明るく良く通る音色、両端楽章の音の動きの多い技巧的なソロの見事さ、第2楽章のけだるい雰囲気の表出、ピアニッシモからフォルティッシもまでのダイナミクスの幅広さ、そしてもちろん単に吹けるだけではなくて音楽的に聞かせるセンスの良さ。サヴァリッシュとオケのサポートも、リズミカルな両端楽章、けだるい雰囲気が第2楽章と共にパユにぴったりと付けて見事な出来栄えでした。
後半は今日2度目のブラームスの第1交響曲。1曲目のシューマン同様、澄み切った境地に達した暖かく自然体なブラームス。第1楽章の内的充実度の高い序奏にはじまり、ほんの少しだけ必要なスパイスを効かせた終楽章。決して声高に叫ばないで、必要にして十分なメリハリと迫力を巧まずに表出。細部まで透明でよく整ったアンサンブル、淀みない自然な音楽の流れとあたたかくてヒューマンな味わい。サヴァリッシュの演奏を聞いてしまうと、数時間前に聞いたクライツベルクの演奏がなんとも雑念(邪念?)が多く感じられることか。本当に素晴らしい演奏でした。ほんまに聴けてよかった(^^♪。
【11/4追記】
編成はシューマンとブラームスは16型、イベールは8-8-6-6-4。
ブラームスの木管はスコアどおり各2本ずつ+C-fgでした。
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