大野和士指揮 新日本フィル サントリーホール・シリーズ
新日本フィルハーモニー交響楽団 サントリーホール・シリーズ 第365回定期演奏会
モーツァルト:交響曲第40番ト短調K.550
川島素晴:室内管弦楽のためのエチュード(2001-02)
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」
大野和士指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団
2004年1月29日 サントリーホール 大ホール
川島素晴の作品を耳にするのはおそらくはじめて。プログラムによると3つのホール(いずみホール、しらかわホール、紀尾井ホール)の委嘱作で、それぞれのホールにちなんだタイトル(Spring,River,Vivace)が付けられています。また、前橋で再演された時にプレリュードとして"Pre-bridge"が付け加えられたとのこと。山尾敦史いわく「タノシイゲンダイオンガク」だそう。
で、聞いてみました。これは面白いですよ。Pre-Bridgeはめまぐるしく変わる拍子に、「牧神」「春祭」「チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番」あげくのはてには「トリスタン」までがコラージュ風に散りばめられていてその引用の仕方がおかしくて笑ってしまいそうでした。Springはなにやら「火の鳥」の一部を思わせる感触で、グリッサンド等で跳ね回るよう。最後は打楽器奏者が横に出てきて、木片を落として(わざと)コロコロ・・・・、拾って床をコンと叩くパフォーマンス。Riverは「ダフニス」の冒頭みたいだなあと思っていたら途中から「モルダウ」の雰囲気。あのメロディーは出てこないのだけど。Vivaceは都会の追いまくられる生活観をあらわしたオスティナート風。最後になんだかひゅーうっと終わってしまうのもなにやら意味深に感じられました。彼の他の曲も聴いてみたくなりました。 大野の指揮もめまぐるしく変わる拍子を的確に捌いていて見事なもの。オケもすばらしかったです。
対向配置で演奏されたモーツァルトの2曲は、繊細さと丁寧な音楽作りがとても好印象でした。サウンドもぎすぎすとしたものではなくて温かみのある音を引き出していました。なかなかの好演だったと思います。
Comments