東京室内歌劇場 フィガロの結婚 Bキャスト
東京室内歌劇場 36期第107回定期公演東京室内歌劇場としては珍しくメジャーな演目。昨年8月にこの団体が上演した、パイジェッロのセヴィリアの理髪師とのつながりを意識しての選択でしょう。指揮をしていたのも若杉さんだったし・・・。
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」
伯爵夫人 : 島崎智子 スザンナ : 若槻量子 ケルビーノ : 小畑朱実 マルチェリーナ : 森永朝子 アルマヴィーヴァ伯爵 : 宮本益光 フィガロ : 星野淳 バジーリオ/ドン・クルツィオ : 松浦健 バルトロ/アントニオ : 藪西正道 バルバリーナ : 赤星啓子 花娘 : 石原知枝/前田美樹
若杉弘指揮 東京交響楽団 東京室内歌劇場合唱団
コンサートマスター:グレブ・ニキティン
演出:栗山昌良
2004年5月15日 14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
はじめに触れたいのがその若杉弘の指揮。序曲から昨今にしては珍しい遅めのテンポで開始。遅いのはいいんですが、なんだか重い・弾まない・前進しない。彼なりのフレージングを指示はしているのだけれども、オケの反応は鈍い。パート間のバランスもよくなくて弦が弱め(弦は8-6-6-4-2の編成)。古楽風を狙ったわけでは絶対無いはずだけど・・・、どのあたりを狙ったのかは結局よくわかりませんでした。指揮者との相性や練習時間の問題もあるとは思うのですが、最近数回聞いて調子よさげだったオケとは思えない出来。まあ歌手の邪魔はしてなかったのでその点は救いでしたが・・・。どうも彼の古典派とは相性が悪いです・・・、R.シュトラウスとかはいいんだけど。
歌手達ではフィガロの星野淳とアルマヴィーヴァ伯爵の宮本益光が好感触。星野淳は背筋のしゃんとしたフィガロ、もう少し遊びが欲しいきもしないでもありませんでしたがなかなかの出来。宮本益光はやらしさというか色気というかが良くでたアルマヴィーヴァ伯爵、4月のカルミナ・ブラーナではやや役不足な感じがしましたが、これなら7月のドン・ジョヴァンニが楽しみです。
他の歌手達もまずまずの出来。スザンナの若槻量子は声の明瞭さと舞台を引っ張る強さがもう少しほしかった。ケルビーノの小畑朱実は声の硬さがやや気になりましたが演技面ではコミカルで面白かった。
演出はオケピットにせり出した舞台を中心に簡素な舞台装置と照明で見せるもの。レチタティーボを中心に楽しませてくれました。
Aキャストで佐々木典子等のベテランをキャスティングしているので、どうせならBキャストは生きの若手を揃えたほうが面白かったのではと。また、指揮も若手の生きのいい人でどうでしょうか(金聖響とか)ねえ>主催者殿。
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