フルネ/東京都響/晋友会合唱団 東京芸術劇場シリーズ フォーレ
東京都交響楽団 東京芸術劇場シリーズ 「作曲家の肖像」 Vol.52 フォーレ
1. 組曲「ペレアスとメリザンド」作品80
2. 組曲「シャイロック」作品57 より II. 幕間の音楽 / IV. 祝婚曲 / V. 夜想曲 / VI. 終曲
3. レクィエム作品48
ソプラノ:野田ひろ子(3)
バリトン:三原剛(3)
ジャン・フルネ指揮 東京都交響楽団
合唱:晋友会合唱団(合唱指揮:関屋晋)(3)
ゲスト・コンサート・ミストレス:四方恭子
2004年4月28日 19:00 東京芸術劇場 大ホール
いまのフルネにはフォーレが一番似合うのではないだろうか・・・、なんて思いつつ聞いた今日の演奏会。
おおげさな身振りは一切無く、丁寧につつましく音楽をつむぐフルネのスタイルはペレアス組曲の前奏曲から健在。シシリエンヌも淡々としていながら、味わい深い。メリザンドの死もおおげさな表現でないのがいい。
続く、シャイロックも幕間の音楽のファンファーレの品格。祝婚曲と夜想曲の歌の美しさ、終曲のリズミカルな表現と色彩感。両曲ともオケ共々、見事な演奏でした。
後半のレクイエムは天国の音楽というよりは、オケ、合唱、ソロともに落ち着いた音色で統一された地に足のついた人間の音楽とでもいいましょうか。冒頭から雰囲気で聞かせるのではなく、言葉をきちんと発音させてしっかりとした印象を与えてくれます。三原剛と野田ひろ子もフルネの意図に沿って、落ち着いた印象の歌唱で好演していました。ただ、合唱についてはソプラノのピッチがやや決まらないのが気になった(デリケートなところなので難しいんですけどね)のと、音色はいいのだけどもハーモニーの透明感がいつものこの団体より減じていたように聞きました。もともと実力はある団体なので今後に期待したいですね。オケは前半同様フルネの意を汲んだ演奏で良かったと思います。
これで今回のフルネ月間は終了。都響への次の来演は来年1月とのこと。出来る限り長く私達に素晴らしい音楽を聞かせ続けてほしいものです。
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