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コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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フルネ/東京都響 プロムナードコンサート ビゼー/サン=サーンス

都響のフルネ月間、2回目。
東京都交響楽団 プロムナードコンサート No.308

1.ボワエルデュ:歌劇「白衣の貴婦人」序曲
2.ビゼー:交響曲第1番ハ長調
3.サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調作品78「オルガン付」
4.モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲(アンコール)

ジャン・フルネ指揮 東京都交響楽団
オルガン:室住素子(3)

コンサートマスター:山本友重

2004年4月24日 14:00 サントリーホール 大ホール


まずはボワエルデュの序曲から。こういった一般的にはあまり知られていない佳品を聞けるのも、フルネを聞く楽しみのひとつ。ゆるやかな序奏と快活な主部を持つ曲で、主部に入ってからのフルネの手綱捌きは見事でした。

続くはビゼーの交響曲。もちろん、速いテンポでとばすということはせず、ゆったりとしたテンポでじっくりというフルネスタイル。でもリズムの歯切れが失われること無く音楽が流れていくのはさすが。2楽章のオーボエがうたう旋律がなんともひなびた味わいがなんとも言えませんでした。ただ、終楽章はフルネのテンポだと、ビゼーの音楽自体の密度が薄いのがあらわになってしまう感じgがしないでもありませんでした。

後半はサン=サーンスのオルガンシンフォニー。第1楽章の前半からリズムを着実に刻ませていくスタイルで、旋律を朗々と歌わせるというよりは、構築感みたいなものを際立たせるいきかた。オルガンで始まる第1楽章の後半(個人的にこの曲で一番楽しみなところ)は都響の弦の艶を利用するのではなく、控えめでつつまく弦を歌わせていたのが絶品。2楽章の前半もリズムをきっちりと刻ませて必要以上に熱くならない音楽作り。オルガンが派手に使われる後半も、ショーピース的に演奏ではなくオルガンとのバランスを丁寧にとって格調高い音楽作り。そして、最後には重厚ともいえる聞き応えのあるサウンドを引き出していました。いやはや、素晴らしい演奏でした。

オルガンの室住素子はオケの音色と良く溶け合った音色(おそらく、ストップ選択がいいんでしょう)と音量バランスがとても素晴らしかったし、フルネの意を充分過ぎるほど実現していたように思います。

ビゼーもサン=サーンスも全体にしゃれた感じを出すのではなく、シンフォニーとしての構成感に重きをおいた演奏でした。

フルネ月間、あとは28日のフォーレを残すのみです。
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