小林道夫 チェンバロ演奏会 J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲
今年まで知らなかったのですが、クリスマス恒例となっている小林道夫のゴルトベルク変奏曲。第九の後は「しずかにバッハを味わおう」と初台から上野へ。
小林道夫 チェンバロ演奏会プログラムはゴルトベルク変奏曲の一曲のみ。ほぼ全てのリピートをおこない、第15変奏の後に20分の休憩を挟んでの演奏。変奏によっては生き生きとした表情を付けてはいましたが、余分な力みや脂ぎったところはまったくなく「しずかにバッハを」に相応しい誠実な演奏でした。第25変奏でリュートストップを用いてとぼとぼとした味わいを出していたのがとても印象的でした。リュートストップはアンコールのシンフォニアでも使用していい枯れた味わい醸し出していました。
1. J.S.バッハ : ゴルトベルク変奏曲 BWV988 アンコール 2. J.S.バッハ : シンフォニア 第5番 変ホ長調 BWV791
チェンバロ : 小林道夫
使用チェンバロ : アトリエ・フォン・ナーゲル(1987) 調律 : 百瀬昭彦
2005年12月24日 18:00 東京文化会館 小ホール
この曲のチェンバロによる、そしてリピートをほぼ完全に実施した生演奏は私にとって初体験。小林道夫の演奏は誠実で暖かさに満ちたものだったとは頭では思うのですが、なんだか物足りない感じがするのは何故だろう(笑)。この曲に慣れ親しんだあるピアニストの演奏の呪縛がまだ解けていないせいかな。いろんな意味で磨きぬかれていて鮮やかなグレン・グールドの1981年盤(私の場合、古いほうではなくて新しいほう)の刷り込みが・・・(^^ゞ
もう少しいろいろなゴルトベルクの演奏に接してみないといかんかなあ・・・(笑)。
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