新国立劇場 サロメ
新国立劇場オペラ 2003/2004シーズン
R.シュトラウス:楽劇「サロメ」
サロメ :エヴァ・ヨハンソン
ヘロデ :ハインツ・ツェドニク
ヘロディアス :片桐仁美
ヨハナーン :アラン・タイタス
ナラボート :吉田浩之
ヘロディアスの小姓 :前田祐佳
2人の兵士1 :彭康亮
2人の兵士2 :田島達也
5人のユダヤ人1 :大野光彦
5人のユダヤ人2 :井ノ上了吏
5人のユダヤ人3 :九貫達也
5人のユダヤ人4 :松永国和
5人のユダヤ人5 :大澤建
2人のナザレ人1 :工藤博
2人のナザレ人2 :青戸知
カッパドキア人 :石崎秀和
奴隷 :井垣朋子
フリードリヒ・ハイダー指揮 東京交響楽団
演出 :アウグスト・エファーディンク
2004年3月7日 15:00 新国立劇場 オペラ劇場
花粉症の私にとって嫌な季節ですが、今日は特に調子が悪い・・・。眠くなるので控えていた飲み薬を直前に飲んでいざハンカチ片手にサロメ・・・。
このプロダクションはもう3度目の鑑賞です。でも新たな発見はあるものですね(単に見落としていただけか・・・)。
まずはヨハナーンのタイタスでしょう。井戸の中ではマイク越しですが、外にでてきたらその声の凄いこと。声量、声質ともに素晴らしいのなんのって。カーテンコールで一番盛大な拍手を受けていたのも納得の出来。
ヨハンソンのサロメも良く響いた声がとても良かったし、ある種の勢いが感じられるのが好ましいですね。踊りの直後ではさすがに息が上がってましたが、最後まで充実した声で歌いきっていました。
ヘロデ王のツェドニクは先日のトルケマダよりこっちの方が良いですね。やや頼りない感じ(声ではないですよ)が役にとても合っていました。強い声ではないのですが、最後まで声をうまく使っていました、さすがベテラン。
ヘロディアスの片桐は不調だったのでしょうか?低いドスの効いた声は役に合っていたものの、高い声が出ていなくて残念でした。
他の役は力のある人を揃えていて充実。ナラボートの吉田は特に良かったと思います。またユダヤ人達やナザレ人達の論争部分がとても良くて、全体の出来に厚みを加えていました。
ハイダーの指揮は歌手とのバランスをうまくとっていて好感の持てるものでした。でも、サロメの「ヨハナーンの首を」に付けられた音楽に代表される、繰り返し出てくるモティーフがオケからは浮き出てくるのに歌手からは浮き出てこないのがやや残念。ハイダーだけの責任ではないと思いますが、その辺も統率していれば一段音楽の充実度がアップしていた筈です。東響はミスも少なかったし、充分合格点を与えられる出来だったと思います。
最後の場面。サロメの殺害場面で自殺してしまったナラボートを慕っていた小姓が、サロメの後ろから殺害に加わっているのを三度目にして今日気がつきました。これはいいアイデアですね。こうするとナラボートの死は無駄にならない(表現が変ですが・・・)。
鼻は終演後やっと落ち着いてきました(笑&泣)。
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