エルデーディSQ クァルテット・ウェンズデイ ハイドン晩年の作品1
クァルテット・ウェンズデイ #38 エルデーディ弦楽四重奏団 ハイドン晩年の作品1今日演奏されるハイドンのクァルテット3曲は恐らく初めて聴く曲。エルデーディ弦楽四重奏団を聴くのも今日がはじめて。4人の配置は左から1Vn-2Vn-Va-Vcといたって普通のもの。
1. ハイドン : 弦楽四重奏曲第75番ト長調作品76-1 Hob.III-75 2. ハイドン : 弦楽四重奏曲第82番ヘ長調作品77-2 Hob.III-82「雲がゆくまで待とう」 休憩 3. ハイドン : 弦楽四重奏曲第79番ニ長調作品79-2 Hob.III-79「ラルゴ」 アンコール 4. ハイドン : 弦楽四重奏曲第72番ハ長調作品74-1 Hob.III-72 から 第2楽章
エルデーディ弦楽四重奏団
第1ヴァイオリン : 蒲生克郷 第2ヴァイオリン : 花崎淳生 ヴィオラ : 桐山建志 チェロ : 花崎薫
2005年2月23日 19:15 第一生命ホール
1曲目はこの団体の名前にもなっている作品76のエルデーディ四重奏曲の1曲目である第75番。下三声を中心とした明るく暖かいサウンドがまず耳につきます。音も合っていてハーモニー感も充分に感じられます。響きの品が感じられ、程よいテンポで音楽が流れていく好演でした。第3楽章トリオの技巧的な第1ヴァイオリンを支える、下三声によるピッツィカートの豊かな響き。第4楽章の短調から長調への切替の自然さ(はっきりと切替るやりかたもあるのかも)が印象に残りました。
2曲目はロブコヴィッツ四重奏曲の第82番「雲がゆくまで待とう」。渾名の「雲がゆくまで待とう」は第3楽章のメロディーから。その第3楽章がポリフォニックな動きとよく歌われたメロディーが美しい演奏。第4楽章の生き生きとした演奏ぶりが楽しい。
20分の休憩後はエルデーディ四重奏曲に戻って第79番「ラルゴ」。第1楽章は中間部のおポリフォニックな部分の美しさとその後のギアチェンジの鮮やかさ。第2楽章「ラルゴ」の美しい歌。第4楽章の第1ヴァイオリンとチェロの技巧的な掛け合いの面白さがよく出ていました。
アンコールは第72番の第2楽章がしっとりと演奏されました。
このエルデーディ弦楽四重奏団、全体的に明るく品のある響きがしますね。その反面、表現の踏み込みの鋭さはやや控えめかもしれません。リズムのキレや表現の振幅がもっと出てくると更に世界が広がるような気がします。このクァルテット、第2ヴァイオリンの花崎淳生とヴィオラの桐山建志がしっかりとアンサンブルを支えてるなと。特に、桐山建志はメロディーの歌わせ方のセンスのよさ、しっかりとした下支えと双方で魅力的な演奏をしていました。チェロの花崎薫はやや軽めですが美しい音で丹念に楽譜を追った実直ともいえる演奏。もう少し遊びというかしなやかさを望みたい気もしました。第1ヴァイオリンの蒲生克郷は細かい音の動きでピッチが甘くなってしまう傾向があるのと、ハイポジションで音が平べったくなってしまうのがやや残念でした。でも、チャレンジングな姿勢が聴けるのは良いところ。
ハイドンのクァルテット、古典的な形式の中にいろんな要素が盛り込まれていて面白いですね。なにより、親しみやすいのがいい。このシリーズ、次回は3/16(水)に第81番、第80番そして第76番が予定されています。次回もまた聴きにいこうかな・・・。
Comments
バロック・ヴァイオリン奏者の桐山さんですね?
ヴィヴァルディ「四季」のユニークな演奏を聞いたことがあります。
小倉喜久子さんとのロマン派作品中心のデュオやモーツァルトの室内楽を聴いたことがあります。モーツァルトはなかなか楽しい演奏でした。ヴィヴァルディも面白そうですね、あとバッハも是非聞いてみたいなと思ってます。