二期会 メリー・ウィドー Bキャスト 高橋/星野/飯森/東フィル
東京二期会オペラ劇場2005 2005都民芸術フェスティバル(東京都助成)参加公演 メリー・ウィドー拍手が鳴り止む前に飯森範親は棒を振り始め、生き生きとした音楽が奏でられて第1幕がスタート。
・ フランツ・レハール : オペレッタ「メリー・ウィドー」全3幕 (日本語上演)
ミルコ・ツェータ男爵 : 近藤均 ヴァランシェンヌ : 赤星啓子 ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵 : 星野淳 ハンナ・グラヴァリ : 高橋知子 カミーユ・ド・ロジョン : 上原正敏 カスカーダ子爵 : 塚田裕之 サン・ブリオッシュ : 境信博 ボグダノヴィッチ : 松本進 シルヴィアーヌ : 佐々木弐奈 クロモウ : 二階谷洋右 オルガ : 三橋千鶴 ブリチッチ : 竹沢嘉明 プラシコヴィア : 押見朋子 ニェーグシュ : 志村文彦 マキシムの踊り子たち ロロ : 城田佐和子 ドド : 清水純 ジュジュ : 北條聖子 フルフル : 高橋桂 クロクロ : 小林由佳 マルゴ : 田上知穂
飯森範親指揮 東京フィルハーモニー交響楽団 (コンサートマスター:佐藤久成) 二期会合唱団 (合唱指揮:森口真司)
演出 : 山田和也
2005年2月19日 13:00 Bunkamura オーチャードホール
ハンナは高橋知子。落ち着いた声と豊かな声量が魅力。声の存在感もそこそこあって、主役に相応しい華も感じられまます。前半はやや硬くなったのかややぎこなさが耳に付きましたが、徐々に調子を上げて本来の力を発揮していたように聴きました。前半、日本語が立ってこなかった理由もそのあたりにあるのかもしれません。演技面でも存在感がありました。
ダニロは星野淳。張りのある癖のない声で、細身で長身の容姿にぴったりとあったスタイリッシュなダニロ。日本語も明瞭に聞き取れます。この方、なんだか歌舞伎役者みたいな雰囲気がありますね。
ヴァランシェンヌは赤星啓子。せりふも歌も甘えたような声と容姿が役柄の設定にぴったり。でも、マキシムの場面での歌はもう少し存在感が欲しかったかも。カンカンと歌の両立はなかなか難しいですね。
ツェータ男爵は近藤均。冒頭の歌は歌いにくそう(日本語の歌詞との関係はあるんでしょうけど)で決まらなかったけど、明るくてユーモラスなツェータ男爵でした。
カミーユは上原正敏。細めの声がフランスの優男にあってますね。もうちょっと声に響きが乗るともっと良かったかも。
その他のキャストの中では、ブラシコヴィアの押見朋子が見事な「勘違い奥様」ぶり。得がたいキャラクターしてますね、面白いったらありゃしない(笑)。
飯森範親の指揮する東京フィルは清潔感漂う美しい音と良好なアンサンブルで、生き生きとした音楽を奏で歌手達を好サポート。全体の雰囲気もすこぶるいいし、適度な甘さが加わっているのが好感が持てます。コンサートマスター(客演)の佐藤久成のソロや室内楽的な弦楽五重奏も誠に美しい限り。飯森範親の棒も歌手にぴったりとよりそい、時にリードし支える絶妙さ。高橋知子は飯森の棒にかなり助けられたのではないでしょうか。二期会合唱団も甘美な雰囲気と生き生きとした表情を両立した好演でした。
演出は山田和也。舞台装置はシンプルですが、衣装や小道具そして照明等を効果的に利用して華やかなイメージの舞台。飯森範親の作り出す音楽と相まって、テンポの良い舞台進行になっていました。しっとりと聞かせるところは歌手に任せ、華やかなところは動きを加えて愉しくと。奇をてらったところは全くありませんが、良く考えられていて幅広い世代の観客が素直に楽しむことができる好演出でした。
なお、第3幕の挿入曲はレハールの「ウィーンの女たち」から"Nechledil-Marsch"とオッフェンバックの「天国と地獄」から有名な"フレンチ・カンカン"でした。
Comments
何もかも、その通りでした~!(^v^)