えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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鈴木/オーケストラ・リベラ・クラシカ ハイドン/ボッケリーニ

ルルが2幕版になり終演時間が早くなると・・・、(若干複雑な思いもありますが)これもいけるなあと。久しぶりに鈴木秀美率いるオーケストラ・リベラ・クラシカの演奏会を聴きに初台から築地市場へ。
オーケストラ・リベラ・クラシカ 第11回演奏会

1.J.ハイドン交響曲第22番変ホ長調「哲学者」Hob.I-22
2.ボッケリーニ チェロ協奏曲ト長調 G.480
アンコール
3.ボッケリーニ チェロ協奏曲変ロ長調 G.482(ドレスデン筆写譜による) から 第3楽章
休憩
4.J.ハイドン交響曲第64番イ長調「時の移ろい」Hob.I-64
アンコール
5.J.ハイドン交響曲第23番ト長調Hob.I-23 から 第4楽章

鈴木秀美指揮/チェロ(2)オーケストラ・リベラ・クラシカ
(コンサートミストレス:若松夏美)

2005年2月11日 19:00 浜離宮朝日ホール
オーケストラ・リベラ・クラシカを聴くのは今日で3度目。1度目は2002年9月の第2回演奏会でハイドンの「朝」「昼」「晩」、2度目は2003年5月の第5回演奏会でハイドンの14番と「帝国」他、そして今日の第11回演奏会。一応各シーズン1回は耳にしていることになります。

さてコンサートは「哲学者」という渾名がついているハイドンの第22番の交響曲から。オーケストラの編成は、弦楽4-4-2-2-1でVn-Va-Vc-Vn-Cbと並べたVn対向配置、管楽器はHr2/Eng-Hr2/Fg1。オーボエの変わりにイングリッシュ・ホルンが入っているのが特徴。第1楽章の弦の刻みにのって吹かれるメロディーが、まずナチュラルホルンの柔らかい響きで、続いてなんとものどかに聞こえるイングリッシュ・ホルンでと。その両者の対比がいい味出してますね。第2楽章は良く走るアレグロだこと。踏み込みのよさと適度に凝縮されたオケのサウンドがなかなかいい感じ。第3楽章は踊れるメヌエットですが、第2楽章と第4楽章のバランスからするともうちょっとのどかな味が出ても良かったかもしれません。フィナーレは第2楽章同様に生き生きとして鮮やかな演奏。イングリッシュ・ホルンののどかな味わいがとても面白い曲でした。

2曲目は鈴木秀美がチェロを弾き振りする形でのボッケリーニの協奏曲。一般的に良く知られる変ロ長調の曲ではなく、今回はト長調の曲が演奏されました。オーケストラは弦楽のみで、4-4-2-0-1の編成。鈴木秀美がトゥッティを一緒に弾きながらの演奏でした。ボッケリーニらしい明るい音楽ですが、独奏チェロはハイポジションで演奏するところが多くて技術的難易度はかなり高そう。そのハイポジションもヴァイオリンと協調して明るさを出すためにそうなっているので、腕をひけらかす方向ではないのが厄介かも。鈴木秀美をしてもさすがに無傷とは行かないけれども、第1楽章の明るさ、第2楽章の物悲しさ(特にカデンツァでの鳥の鳴き声のエコー)、そして第3楽章のユーモアと各楽章の性格を明確に表現していました。また、トゥッティで彼が一緒に弾くとバスの生命力が一段と増すのがとても印象的でした。

アンコールとしてはホルン2本を加えて、同じボッケリーニの変ロ長調の協奏曲の第3楽章が演奏されました。これも動揺にチェロ独奏はかなり技巧的ですが、ユーモアに満ちた音楽でとても愉しい演奏でした。この曲、罠があるんですねえ。まんまとまってしまいましたわ(^^♪。

休憩の後はハイドンに戻って、第62番の「時の移ろい」と題されたシンフォニーが演奏されました。この題名はハイドン自身がつけたかもしれないとのこと。第1楽章はヴァイオリンとオーボエが協調するところが実に美しい響きで印象的。第2楽章は休符をはさんだメロディーを中心にした音楽が自分の経験を淡々と語っている爺さんのようで味わい深い。第3楽章は22番同様に締まった感じのメヌエット。ホルンがちょっと決まらなかったのが惜しい。フィナーレはABACAの構成ですがCの部分の踏み込みの良い激しさがとても印象的。

アンコールは鈴木秀美曰く「そろそろ季節ですので、ハイドンのくしゃみを」と第23番のフィナーレ。そういう渾名がついた曲ではないのですが、ピアニッシモでの刻みが「むずむず」、フォルテの激しい刻みが「はっくしょん」って感じでしょうか(笑)。第90番みたいにしつこくない(笑)ものの、終わったように見せかける罠がありました(今度ははまりませんでしたが・・・)。

3度目のオーケストラ・リベラ・クラシカ、明らかにオーケストラとしてのまとまりが良くなっていますね。音がぴったりと合うようになっているし、バスをしっかりと鳴らして土台を作るスタイルが定着している様子。鈴木秀美の指揮も以前の前傾姿勢だけではない余裕が出てきています。4月からの来シーズンはハイドンだけでなく2006年への準備としてモーツァルトも今迄以上に演奏されるようです。josquinとしては大好きなハフナーセレナードが予定されているのが嬉しいところ(聴きにいけるかどうかは別として)。来シーズンも1回以上は足を運びたいなと思っています。
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