えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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チョン/東フィル オーチャード定期 マーラー:交響曲第3番

昨日も聞いたチョン/東フィルのマーラー3番、さらに素晴らしい演奏を期待して今日は渋谷へ。
東京フィルハーモニー交響楽団 第698回定期演奏会

マーラー交響曲第3番ニ短調

メゾ・ソプラノ寺谷千枝子

チョン・ミョンフン指揮東京フィルハーモニー交響楽団
(コンサートマスター:荒井英治)
東京オペラシンガーズ
東京少年少女合唱隊

2005年1月9日 15:00 Bunkamura オーチャードホール
オーケストラの編成は昨日同様で16-16-14-12-10。昨日と違うのは合唱団の配置で、女声合唱および児童合唱は舞台奥の配置。児童合唱を前列中央に配置し囲むように女声合唱が並んでいました。今日は最初から舞台上で座っておりました。ソリスト用の椅子が今日は置かれていない・・・。

第1楽章冒頭、昨日同様にホルンが勇壮にメロディーを奏でます。昨日より場面転換での切替もスムースだし明確でチョンの構成力が生かされています。トロンボーンのソロ、今日もなんとも言えない孤独感が漂っていて今日もいい。昨日触れたバスドラム担当の打楽器奏者氏。やはり演奏しにくかったのでしょうか、今日は縦置きと横置きの2台の位置を左右入れ替えていました。今日は耳につかなかったことを記しておきます。今日ちょっと気になったは低弦群。明確かつゴリゴリとしていてるのはいいのですが、少ししなやかさが欲しいなと思ってしまいました。ホールの音響の差かもしれませんけど。

第2楽章と第3楽章は昨日と似たような印象で、室内楽的な部分でのアンサンブルがしっくりとせず残念。ポストホルンは今日も好調で素晴らしかった。そして今日は第3楽章コーダの部分でソリスト入場。

第4楽章、今日も寺谷千枝子の透明感を湛えた深い声での練れた歌唱が素晴らしい。その歌を支えるオケは慎重になりすぎたのか、金管の音の出がきまらなかったり高弦がよれたりでと残念。合唱は第4楽章最終部で起立し第5楽章へ。東京少年少女合唱隊と東京オペラシンガーズ(昨日のプログラムには東京レディースシンガーズと記述してありましたが、実態は同一なのに何故表記が違うのだろう・・・)は今日も美しく素晴らしい出来栄え。チョンの棒は昨日よりも余裕があって寺谷の呼吸にぴったりと付けていました。寺谷は自分の最終節を歌った後そろりそろりと退場。そして昨日同様最後の"Bimm"を伸ばしつつ合唱が着席し最終楽章へ。

昨日は自然と涙腺が緩んだ最終楽章、今日は残念ながらそこまでにはいたらず・・・。チョンの確かな構成力を持った棒自体は昨日と変わらないと思うのですが、オーケストラの見事なまでにぴんと張られていた糸が今日はごく僅かわずかですがほんの少しだけ緩んでいたように聞こえました。弦の響きのまとまり具合、金管の演奏精度、間の緊張感・・・。本当にちょっとした差なんですが、全体としては聞き手の印象に大きく影響を与えてしてしまうものかと。フルートからピッコロに受け継がれたフレーズ等、昨日と比べると良かった部分もあったにも関わらず。これだけの大曲を連日同じように演奏するのって難しいことなんだなと、改めて実感しました。

最近の東フィルは聞くたびにパフォーマンスに差があるような気がしてなりません。その時のメンバ、指揮者、ホールの違い等さまざまな要素があるとは思いますが基礎体力が弱っているのではないかなあと。大所帯でなかなか難しい面もあるのでしょうが、トレーナー的な役割を果たす指揮者を迎えて体力向上を図るのも手ではないでしょうか。アーティスティック・アドバイザーの肩書きを持つチョンはそういう立場ではないようですし。そのチョンの魅力を生かす為にも・・・。
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