えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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ヘルムヒェン/ポッペン/新日本フィル トリフォニー定期 バッハ/ベートーヴェン/メンデルスゾーン

7月に紀尾井シンフォニエッタを振っているポッペン。おそらく日本のオケを演奏するのはこれが2度目となるはず。というわけで、NJP定期を聞きに錦糸町へ。
新日本フィルハーモニー交響楽団 トリフォニー・シリーズ 第376回定期演奏会

1.J.S.バッハ(ウェーベルン編)6声のリチェルカーレ
2.ベートーヴェンピアノ協奏曲第4番ト長調作品58
アンコール
3.メンデルスゾーン3つの練習曲 から イ短調 作品104b-3
休憩
4.メンデルスゾーン交響曲第5番ニ短調作品107「宗教改革」

ピアノマルティン・ヘルムヒェン(2&3)

クリストフ・ポッペン指揮新日本フィルハーモニー交響楽団(1,2&4)
(コンサートマスター:崔文洙)

2004年10月31日 15:00 すみだトリフォニーホール 大ホール
ホールに入って舞台を見渡すと、コントラバスが左手にヴァイオリンを左右に振ったいわゆる対抗配置。いつもより小ぶりの編成で、プログラム最初のリチェルカーレでは弦12-10-8-6-5で演奏されました。ウェーベルンの精緻なアレンジを生かした上で、バッハの原曲をストレートに楽しめる演奏といえるでしょう。複数の楽器で受け持つ旋律も一体となって聞こえるように細かな配慮がなされていましたし、全体の響きが柔らかであたたかみが感じられる好演奏でした。

次は1980年生まれのドイツの若手ピアニスト、ヘルムヒェンを迎えてのベートーヴェン。粒立ちの良い音と音楽の生きのよさが印象的な演奏。特に終楽章はベートーヴェンと戯れているような、遊び心満点の生き生きとした音楽作りが出色。第2楽章のやや短めのフレージングのオーケストラと歌心たっぷりのピアノとの対比、ゆったりと美しく奏された第1楽章冒頭といきいきとした主部との対比。ポッペン指揮するオーケストラとの対話も緊密で、ピアノが主導する部分でのオーケストラの反応は素晴らしいものでした。アンコールは快速テンポで見事に弾かれたメンデルスゾーンのエチュードでした(後半への布石でしょうか)。なお、この曲での弦の編成は12-10-8-6-4でした。

後半はメンデルスゾーンの宗教改革シンフォニー。弦の編成は12-10-8-7-6で演奏されました。ポッペンの曲に対する実に見通しの良い構成感とオーケストラコントロールの確かさが際立つ演奏でした。明晰でありながら分析的でなく、また過度に強調されることのないほのかなロマン性。曲の素の美しさを作為なくストレートに表出。引き締まったテンポと流れの良い運び、曲の立体感を際立たせるフレージング。新日本フィルの美しい音色とアンサンブルをいつも以上に引き出してたように感じられました。第2楽章スケルツォでの愉悦感、第3楽章のフルートソロからの木管アンサンブルの見事さ、終楽章の弦のフーガと金管のコラールと対比と調和。ポッペンの端正で優しくて誠実そうな写真のイメージそのままの演奏でした。

7月の紀尾井シンフォニエッタへの客演は聞けませんでしたが、今日の新日本フィルとの相性は非常に良さそう。また客演の機会を是非作って欲しいものです。また近いうちにNJPを振ってくださいな、ポッペンさん(笑)。
らいぶ | comments (2) | trackbacks (1)

Comments

天蓋 | 2004/11/05 19:27
ご参考ですが、ヘルムヒェンさんのアンコール、第一夜ではJ.S。バッハ作曲、マックス・レーガー編曲による「コラール」がアンコールとして演奏されました。こちらはとてもじっくりと聞かせてくれましたよ。
josquin | 2004/11/05 22:42
天蓋さん、1日目のアンコール情報ありがとうございます。
2日目とはまた違う意味で後半へとつながるようなアンコールだったんですね。そちらも聴いてみたかったなあ(笑)。

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グルベローヴァ健在 | えすどぅあ | 2004/10/31 22:20
今月は4回のダブルヘッダーを含む、16本でした。いろいろとバラエティーに富んだプログラムを聞いたなあという印象でしょうか。