ホーネック指揮 読響 定期
読売日本交響楽団 第423回定期演奏会
マーラー:交響曲第3番ニ短調
メゾ・ソプラノ:坂本朱
マンフレート・ホーネック指揮 読売日本交響楽団
コールスLSOT 東京少年少女合唱隊
合唱指揮:長谷川久恵
2004年1月30日 サントリーホール 大ホール
2002年11月のシャイー指揮のコンセルトヘボウ管にはじまった、四半期に一度はマーラーの3番が演奏されるというこの曲が好きな私にとって願っても無い状況も今日のホーネック指揮の読響で終了です。
ちなみにその一覧は以下です(全部行きました(笑))。
2002年11月 シャイー指揮 コンセルトヘボウ管
2003年3月 高関健指揮 群馬響
2003年6月 ビシュコフ指揮 WDRケルン放送響
2003年9月 アルミンク指揮 新日本フィル
2003年11月 ゲルギエフ指揮 キーロフ歌劇場管
2004年1月 ホーネック指揮 読売日本響
今日の演奏、実は第3楽章までは「まあまあ」かなと思っていたのです。もちろん第1楽章のトロンボーンソロ、第2楽章のウィーン風な弦楽器の扱いそして第3楽章のポストホルン等良かったところはいろいろとあるんですが、全体的にホーネックのデュナミークの幅広い表現や細部にまで拘った表現にオケがいまいちついていけてないような気がして仕方なかったのです(特に管楽器群)。また、他の楽器とのバランスでメロディーの受け渡しがよく聞こえてこないところもあったり・・・。
しかし、第4楽章で変わったのです(少なくとも私の耳にはそう聞こえました)。冒頭の遠くから聞こえてくるようなチェロとコントラバスの絶妙にコントロールされたppp。そして "O Mensch!" と深い響きで坂本朱が続きます。そうこの坂本朱が素晴らしかったのです。深みの有る音色と表現力、その歌に触発されたの如くソロも決まっていきます。"Lust tifer noch als Herzeleid!"からの踏みこみの深さ。第5楽章でも、最後の一節の祈りを込めたような坂本朱の歌は特筆ものでした。また姉妹団体とも言えるコールスLSOTと東京少年少女合唱隊も音色が双方で揃っていてとても良かったと思います。
そして、ppいやそれ以下のデュナミークでゆっくりとしたテンポで開始された終楽章。じっくりと丁寧に歌をつむいでいて指揮者とオケの息が一体になったとても良い演奏だったと思います。最後の音の処理もややディミュニエンド気味にすっと抜くような感じが印象的でした。そして20秒程の静寂。9番ならまだしも、3番でこんなに長い静寂が保たれたのは私ははじめてでした。良い演奏だったという証ではないでしょうか。
来週もブラームスを聞きにホーネックを追いかけます。
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