えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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ワシュバン/ヴァンクーヴァー室内合唱団 スペシャル・コンサート

ヴァンクーヴァー室内合唱団東京混声合唱団アデレイド・チェンバーシンガーズと共に出演した21&23日のパシフィック・コーラルデイズ(リンク先は舞台芸術国際フェスティバルの公演一覧)。スケジュールの都合上聴きにいけませんでした。そこでヴァンクーヴァーと姉妹都市の関係を結んでいる横浜市で行われた、ヴァンクーヴァー室内合唱団の1時間コンサートを聞きにみなとみらいへ。入場料金(800円)より交通費のほうが高いんですが・・・(笑)。
ヴァンクーヴァー室内合唱団 スペシャル・コンサート

[エリザベス朝のマドリガル]
1.ジョン・ベネットすべての生ける者今ぞ
2.マイケル・キャヴェンディッシュ来たれ、優しき若者らよ
3.トーマス・ウィールクスウェスタはラトモス山をかけ下りつつ
[ヨーロッパの名作]
4.ウィリアム・バード喜びもて歌え
5.J.S.バッハモテット「賛美と誉れと栄光が」BWV231
6.ブルックナーエサイの杖は芽を出し
[環太平洋の国々の作品]
7.オーストラリア民謡(クロッシン編)ワルツィング・マティルダ
8.リオネル・ドネミラボー橋
9.ジョン・ワシュバンギレアデの香油
10.山田耕作(ジョン・ワシュバン編)赤とんぼ
[カナディアン民謡 ケルト民謡 から]
11.ロリーナ・マケニット(ジョン・ワシュバン編)イヴォーラへのタンゴ
12.民謡(ジョン・ワシュバン編)愛しいポートモア
13.民謡(ジョン・ワシュバン編)ママに言って
[アンコール]
14.民謡(ジョン・ワシュバン編?)シャノン・ドール

ジョン・ワシュバン指揮ヴァンクーヴァー室内合唱団

2004年9月24日 15:00 横浜みなとみらいホール 大ホール
このヴァンクーヴァー室内合唱団は各パート5名、計20名で構成される混声合唱団。指揮者のワシュバンはこの団体の創設者で音楽監督。この団体を聞くのはもちろん初めてですが、非常に繊細でクリアな音楽作りを持ち味とする団体だなあというのが第一印象です。ちょっとバランスが崩れると壊れてしまうような精巧なガラス細工のようなコーラスとでもわかりやすいでしょうか。安定したハーモニー感、明るくニュートラルな声質が特徴。やや軽めながらしっかりと支えてくれるバス、細く繊細な持ち味のテノール、ニュートラルなアルト、そしてテノールよりも細く繊細なソプラノ。欲を言えばソプラノに関しては高域でのクリアランスがもっと欲しいところもありましたが、全体に力を持っている高水準な団体と聞きました。今日のような大ホールでも無理に大きな声を出すのではなく、自分達の持つ繊細な味を最大限生かす演奏をしているのには感心しました。

特に印象に残ったのは、力や音量に頼るのではなくその繊細な響きが新鮮なブルックナー。各国および彼らの国の民謡も、編曲の選び方とジョン・ワシュバンの編曲がこの団体によくマッチしていること。繊細でたうたうようなハーモニーに乗せて歌われるメロディーは印象的でした。赤トンボもハミングによるハーモニーを背景に、下手な日本人歌手より上手にかつ音楽的に(もちろん日本語で)メロディーを歌われるんですから・・・。最後のセクションは繊細さにのりの良さを加えて愉しい限り。

次回は是非とも、本格的なプログラムのリサイタルを耳にしたいものです。やはり近現代物が合うかなあ・・・。
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