小澤/新日本フィル/シュミット サントリー定期 アイヴズ/コルンゴルト/メンデルスゾーン
新日本フィルハーモニー交響楽団 サントリーホール・シリーズ 第372回定期演奏会アイヴズのこの曲をきちんと聴くのははじめてかも。セントラルパークの音風景をそのまま描写した一種の環境音楽といえるでしょうか。全編で背景音(無調風)を受け持つ弦、中間部での喧騒は金管+木管+ピアノでがやがやと。題名のイメージと実際の音楽がしっくりとくる音楽ですね。その中間部でのがやがやのところで指揮者が指揮台を降りて木管の前で振っていたのは、違うテンポで進行する弦に影響を与えないようにという配慮なのかなあ・・・(それともスコアに指定があるのかあ?)。
アイヴズ : 宵闇のセントラルパーク コルンゴルト : ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35 * メンデルスゾーン : 交響曲第3番イ短調作品56「スコットランド」
ヴァイオリン : ベンジャミン・シュミット (2)
小澤征爾指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団 (コンサートマスター:豊嶋泰嗣)
2004年7月14日 19:15 サントリーホール
コルンゴルドの協奏曲は生では確か2度目。前も新日本フィルだったかと(服部譲二とボッセだったか・・・)。シュミットはやや細身だけどよく通る音で美しい音色を持っています。小澤とオケの好サポートもあって膨張感のない好演奏だったと思います。
後半はメンデルスゾーンのスコッチ。よく整えられた演奏なのだけども何か物足りない気がして・・・。1楽章主部の主題をはじめとする民謡風のメロディがどうも平板化されているのがその要因かなと。弦の刻みとかはバッチリ決まっていてアンサンブル的には無問題なんだけど、それが印象に残って肝心のひとなつっこいメロディーの印象が薄く聴こえるんですわ。繊細さや瑞々しさを狙っているようにも聴こえなかったし。第2楽章もやや早いテンポもあって舞曲風の味が薄く、木管のソロももうすこし余裕をもって聴きたい(というか吹かせたい)。終楽章は迫力もあって小澤のアプローチが功を奏していました。
なんだかんだ書いてますが、金曜日にもういちどトリフォニーで聴くかもしれません(笑)。
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