小倉貴久子 モーツァルトの世界 第2回【室内楽】
小倉貴久子 モーツァルトの世界 クラヴィーアをめぐる全3回シリーズ 第2回 【室内楽】
1.クラヴィーア三重奏曲ト長調K.496
2.クラヴィーア三重奏曲ハ長調K.548
3.クラヴィーア四重奏曲変ホ長調K.493
4.クラヴィーア協奏曲第6番変ロ長調K.238 から 第3楽章(アンコール)
クラヴィーア:小倉貴久子
ヴァイオリン:桐山建志
ヴィオラ:長岡聡季(3,4)
チェロ:花崎薫
ホルン:塚田聡(4)
2004年4月24日 18:00 第一生命ホール
モーツァルトの室内楽を時代楽器で生で聴くのは初めてでしたが、そのフットワークの良さを最大限に生かしたとても愉しい演奏会でした。
最初のK496からクラヴィーアと弦楽器の響きの相性の良さ、そしてハーモニーがきちんと聞こえてくることに耳を奪われました。小倉貴久子のピアノがチャーミングかつセンスよく歌うこと歌うこと。モーツァルトのつぶやきからのびのびとしたところまで、楽器の持つ繊細な表現力を素直に生かしていてとてもいい。桐山建志のヴァイオリンと花崎薫のチェロもクラヴィーアとの役割を充分イ理解した演奏でした。第3楽章のヴァリエーションなどは聞いていて本当に愉しかったです。
K.548とK548は1曲目のK496とはクラヴィーアと弦楽器の関係が変化しているのが時代楽器で聞くと良くわかりますね。弦楽器の発言力が増していて、相対的にクラヴィーアの位置づけがやや後退しているのが(あくまで相対的に)。モーツァルトの表現力もそれに応じて深化しているのも。小倉はここでも良く歌い見事だし、クラヴィーアと対等になった弦もより積極性が出てきてよかった。
アンコールは次回【協奏曲】へのつなぎとして、協奏曲の第6番フィナーレをホルンの塚田聡を引っ張り出してきて演奏してくれました。これがまた愉しくていいですな(笑)。塚田のナチュラルホルンも技術的・音色的にも文句ないですわ。
このシリーズ、次回は9月に【協奏曲】。17番と27番を時代楽器オケで演奏とのこと。アンコールでやってくれた、室内楽編成で中期くらいまでの協奏曲の演奏会もいつか企画してほしいと思いました。
Comments