レ・ヴァン・フランセ ジョリヴェ/タファネル/テュイレ/モーツァルト/プーランク
「レ・ヴァン・フランセ=フランスの風」との名称どおり、ホルンのヴラトコヴィチ以外はフランス出身のスター奏者が集まったこのアンサンブル。何人かはソリストとしての演奏に接しているものの、このアンサンブルとして聞くのは今回が初めて。名手達のアンサンブルを楽しみに東京駅からホールへ。
王子ホール レ・ヴァン・フランセ腕っこきの名手達がお互いを尊重しつつ、奔放で緻密なアンサンブルで音と戯れるさまを聞くのは本当に愉しいですな(笑)。
1. A.ジョリヴェ : フルートとクラリネットのためのソナティナ 2. P.タファネル : 木管五重奏曲 ト短調 3. L.テュイレ : 六重奏曲 変ロ長調 作品6 休憩(20分) 4. W.A.モーツァルト : ピアノ、オーボエ、クラリネット、ホルンとファゴットのための五重奏曲 変ホ長調 K.452 5. A.ジョリヴェ : オーボエとファゴットのためのソナティナ 6. F.プーランク : 六重奏曲 アンコール 7. L.テュイレ : 六重奏曲 変ロ長調 作品6 から 第3楽章 ガヴォット 8. J.イベール : 3つの小品 から 第1番
レ・ヴァン・フランセ
フルート : エマニュエル・パユ(1,2,3,6,7&8) オーボエ : フランソワ・ルルー(2,3,4,5,6,7&8) クラリネット : ポール・メイエ(1,2,3,4,6,7&8) ホルン : ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(2,3,4,6,7&8) バソン : ジルベール・オダン(2,3,4,5,6,7&8) ピアノ : エリック・ル・サージュ(3,4,6&7)
2005年10月28日 19:00 王子ホール
前半はパユとメイエのジョリヴェから。2人の付かず離れずの絶妙なアンサンブルで、南国(熱帯?)の香りが自然と出てくる好演。2曲目は管楽器5人で演奏されたタファネル。この人の作品を聞くのは初めてですが、良く出来た曲を素晴らしいアンサンブルで聞く愉しさが満開。停滞しない生彩に富んだ音楽の流れと適度なスイング感。メロディーの受け渡しも絶妙、主役と脇役の交替の見事なことといったらない。前半最後のル・サージュを加えて全員が揃ってのテュイレ。一転してフォーマルな味付けの演奏で楽しませてくれました。
後半はモーツァルトのクィンテットから。管楽器のハーモニーの幸福感はもちろんですが、ル・サージュのピアノのセンスのよさが光りました。フレーズの最後のちょっとしたニュアンスの付け方が絶妙で、ほんまにお洒落。そして、ルルーとオダンの吹いたジョリヴェが素晴らしいのなんのって。2人の技巧の切れ味とアンサンブルの噛み合いはもう完璧と言っていいほど。それに加えてジョリヴェの音楽のユーモアまで余すところなく表現してくれるんですから、文句の付けようがない見事な演奏でした。プログラムの最後はプーランクの六重奏曲。カラフルなプーランクらしい色彩感と共に、わいわい、がやがや、(良い意味で)やかましいくらいに生き生きした表現は聞いていて本当に楽しいしお見事。もちろん陰の部分の味わい深さにも事欠くことがありません。彼らの本領が発揮された演奏でした。
アンコールの1曲目は前半に演奏されたテュイレの第1楽章。もしもし、全然ノリが違うじゃないの(笑)。本編もこのノリで演奏してくれれば睡魔と闘うこともなかったのに(爆)。2曲目は管楽器のみの演奏でイベール。カラフルな色彩感と早めのテンポでスリリングな演奏を披露してくれました。
各地のホールの来年度の予定によれば、レ・ヴァン・フランセの次回来日は2007年2月のようです。スケジュールを調整して、次回もまた耳にしたいものです。
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