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コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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渡辺克也 オーボエ協奏曲の夕べ テレマン/ヴィヴァルディ/ヘンデル

ベルリン・ドイツ・オペラ管の首席オーボエ奏者として活躍している渡辺克也はここ数年気になっていた存在。やっとこさ日程が合ったので、彼の協奏曲の夕べを聴きに何年かぶりかでいくホールに向うために川口へ。
渡辺克也 オーボエ協奏曲の夕べ

1.テレマンオーボエ協奏曲ヘ短調
2.ヴィヴァルディ弦楽のための協奏曲ト短調 RV.578
3.ヴィヴァルディオーボエ協奏曲ハ長調 RV.447
休憩
4.ハイドンヴァイオリン協奏曲第1番ハ長調 Hob.7a-1 から 第1楽章
5.ヘンデルオーボエ協奏曲ト短調 HWV.287
アンコール
6.モンティチャルダッシュ
7.バッハ(グノー編曲)アヴェ・マリア
8.マルチェッロオーボエ協奏曲ニ短調 から 第2楽章

オーボエ渡辺克也(1,3,5,6&8)
ヴァイオリン平澤仁(2,4&7)/宮川正雪(2)
チェロ三宅進(2)
チェンバロ広沢麻美(6)

室内合奏団(1-5,7&8)
コンサートマスター平澤仁
第1ヴァイオリン小池彩織/岡部憲
第2ヴァイオリン宮川正雪/宮本恵
ヴィオラ須田祥子/臼木麻弥
チェロ三宅進
コントラバス菅原政彦
チェンバロ広沢麻美

2005年8月19日 18:30 川口リリア・音楽ホール
川口リリアの音楽ホールは本当に何年かぶり。舞台奥に設置されたオルガン周辺の形が独特なのが印象的な音響の良いホール。さて当日券で楽勝だろうと予想して、事前にチケットを予約せずにホールへ赴くとなんと「完売」の表示(泣)。時間的に他のコンサートへ切り替えることも無理そうなので、少し当日券売り場の前で待っていたら「完売」表示が外されチケットが出てきました(ホッ)。後ろの方ですがほぼ中央のチケットをゲットし、ホールの中へ。

今日バックを務めるのは平澤仁率いる臨時編成の室内合奏団。基本的に編成は3-2-2-1-1で、ヴィオラを外側にしてコントラバスを中央奥にチェロの後ろにチェンバロを配置。

いやあ、渡辺克也の吹くオーボエは実に「美味しい」(笑)。艶やかで丸くて太い、たっぷりとしたうまみを含んだ音色と響きの充実感。その「美味しい」音だけでなく細かいパッセージの見事な口捌きと指捌きのシンクロからくる音の粒立ちのよさ、それにより音域によって微妙に異なる音色が明確に聞こえてきて色彩感につながっています。ヴィヴァルディの終楽章やヘンデルの終楽章のヴァリエーションはその好例。各曲での緩徐楽章で息の長いフレージングを絶妙なコントロールと自然な歌い口で実現されるフォルムの実に美しいこと。オーボエにとってコントロールが難しい弱音でも響きが痩せることがなく、その「美味しさ」が失われることが決してない。これほど危なげのない安定感と充足感を与えてくれるオーボエを聴くのは久しぶり(もしかしたら初めて?)かもしれません。

バックの室内合奏団も渡辺克也の充実した音に呼応した、やや厚めのしっかりしたサウンドでサポート。ハーモニーの正確性やフレーズのくびれを示して欲しいところもありましたが良好なアンサンブルを聞かせてくれました。室内合奏団のメンバのみで演奏された曲ではアグレッシブな踏み込みのよさが特徴的。ヴィヴァルディではヴァイオリンを左右に配置し、掛け合いとシンクロが愉しい演奏でした。

本プロが終わったあとは渡辺克也がマイクを持って登場し、冗談半分に「これからが本番です(笑)」と。なんでもこのコンサート毎年渡辺克也が帰国する夏にさいたま芸術劇場と川口リリアで交互に開催されているようです(知らんかった)。今年は川口の年だった由。「細かい音の動きが調子良かったのはこの人のおかげ」と地元の歯医者さんを紹介したり、渡辺ののんびりとした口調と相まってなんだかほのぼのしたムード。アンコールの1曲目はまず広沢麻美とのデュオでモンティのチャルダッシュ。ジプシームード満点の前半、そして後半のスリリングな妙技。ハイトーンも危なげなく鮮やかに決めて喝采を浴びていました。2曲目は平澤仁と室内合奏団でグノーのアヴェ・マリア、落ち着いた音色でたっぷりと丁寧に歌った好演。最後は再び渡辺克也が登場して有名なマルチェッロの協奏曲の第2楽章。これも息の長いフレージングでしっとりと歌われた素晴らしい演奏でした。

渡辺克也が「お客さんを荒川で堰き止めないと」と言っていましたが、客層も地元の人がほとんどのようでアットホームな雰囲気がただよう都内でおこなわれるコンサートとは違った趣が印象的でした。でも、演奏の内容は渡辺の「お客さんを荒川を越えて都内から呼ぼう」との言葉に相応しい素晴らしいものでした。

来年も都合がつけば(私の場合)川をふたつ渡って、足を運びたいものです(笑)。
らいぶ | comments (6) | trackbacks (2)

Comments

yuji | 2005/08/21 00:33
渡辺克也のオーボエは、ほんとに音色が美しいですよね。数年前、さいたま芸術劇場のリサイタルで聴きましたが、陶然と聞き惚れてしまいました。今回も充実した内容の演奏会だったようで、聴きに行けなかったのが残念です。
ちょっと古い記事ですが、彼のCDを買った時に書いたものを、トラックバック送らせてもらいます。
josquin | 2005/08/21 01:59
yujiさん、TB&コメントありがとうございます。
渡辺克也のオーボエ、本当に美しいですね。yujiさんの記事で「生で聴くと、ほんとに耳が落っこちそうになる。」と書かれている部分、全面的に賛同いたします(笑)。
こちらからもTB送らせていただきました。
pfaelzerwein | 2005/08/21 23:43
渡辺克也氏は、個人的なお友達なので好評を聞くと嬉しいです。特に音を「艶やかで丸くて太い、たっぷりとしたうまみを含んだ音色と響きの充実感」と言われれば本人も大満足に違いありません。
josquin | 2005/08/22 00:33
pfaelzerweinさん、コメントありがとうございます。
そうおっしゃっていただけると私も嬉しいです。聞き惚れる程の「美味しさ」、本当にまた耳にしたいものです。
Piano | 2006/06/30 23:58
渡辺克也オーボエ&東誠三ピアノデュオリサイタル
2006年 7月28日(金)6:30 P.M.開場 7:00 P.M.開演 ザ・ハーモニーホール
全席指定 前売券3,500円 当日券4,000円 
主催/スズキ・メソード 松本支部ピアノ科
後援/松本市 松本市教育委員会

詳細はこちら、最新のニュースよりご覧下さい。 http://newsletter.wiss.jp/

 リサイタルのお知らせです。いま、オーボエ奏者として大変有名になりました渡辺克也氏の演奏をぜひ聴いていただきたくご案内申し上げます。
 
スズキメソード 松本支部ピアノ科 

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ここのところ年中行事になっているサイトウ・キネン・フェスティバルを目当てにした夏の旅行も今年で6年目。今年もやってまいりましたよ、松本...