若杉弘/都響 サマーミューザ 公開リハーサル
昨日からミューザ川崎で開始されたフェスタ・サマーミューザ。フランチャイズの東響を中心に東京と神奈川の9つのオーケストラが一堂に会するお祭り。今日は若杉弘が指揮する都響の登場。本番を前におこなわれる公開リハーサルから聞こうと川崎へ。
フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2005本番のチケット購入者対象の公開リハーサルと銘打たれているものの、実際は若杉弘による実演を交えた小一時間のレクチャー。当初は「公開リハーサル」の予定だったのでしょうが、変更になった時点で何らかのアナウンスをしたほうが良いでっせ。>主催者殿
東京都交響楽団 公開リハーサル
・ マーラー : 交響曲第5番嬰ハ短調 から
若杉弘指揮&お話 東京都交響楽団 (コンサートマスター:山本友重)
2005年7月24日 13:30 ミューザ川崎 シンフォニーホール
まず若杉さんが一人で舞台に登場し、「プログラムにはほとんど載ってませんので(笑)」と曲の解説をし始めました。マーラーの生まれた年代のこと(ドビュッシーやマスカーニと同世代)、この曲の第4楽章が使われたヴィスコンティの映画「ヴェニスに死す」のこと、この曲の構成に絡めた交響曲の歴史のお話(最初は3楽章でそのうち4楽章になりとか)等。博識な若杉さんならいくらでも喋ることができるのでしょうが、20分くらい話をした後に都響のメンバを舞台に呼び入れます。
それからは、楽章毎に曲の聞き所をちょっとしたアナリーゼを含めて聞かせてくれました。個人的に興味を覚えたのは以下の三点。
- 第1楽章でチェロが主題を奏でる裏、コントラバスのピツィカートだけを取り出して「葬送のリズムを刻んでいるんですよ」
- 第2楽章のティンパニのppの上でチェロが奏でるトリスタンの引用と言われているフレーズ、元のトリスタン前奏曲冒頭チェロのフレーズを聞かせてから「最後の音がないだけなんですね」
- 第3楽章最後と第5楽章冒頭を続けて演奏、第4楽章がなくてもつながるんです「今日は省略しませんけど(笑)」
軽くマニアックな話題を取り入れつつも、全体的に程良いバランスの取れたレクチャーだったように思いました。やっぱり、本番を聞く前に実際の音として示してくれるとわかりやすいですね。特定の楽器の動きだけを取り出して聞かせてくれるところは特に。
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