高関健指揮 東京フィル サントリー定期
東京フィルハーモニー交響楽団 第687回定期演奏会
1. ツェムリンスキー:叙情交響曲作品18
2. R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40
ソプラノ:中嶋彰子(1)
バリトン:大久保光哉(1)
高関健指揮 東京フィルハーモニー交響楽団
2004年2月20日 19:00 サントリーホール
当初予定されていたボーダーに代わり高関健が指揮を取った東フィル定期。
両曲とも高関らしい真正面から四つに組んだ誠実な演奏でした。
ツェムリンスキーは始めて聞く曲。プログラム誌に解説のある通りそこはかとなくマーラーの「大地の歌」の雰囲気が漂う曲、先月聴いた人魚姫よりとっつき易いかもしれない。高関は丁寧に曲を描いていたし、16型のオケをうまくコントロールして歌手とのバランスもうまくとっていました。もう少し艶とかうねりみたいなものがあるといいかも。歌手は両名ともオケに負けないよくとおる声で、特に中嶋は出色。別れを歌った6楽章の緊張感は素晴らしい歌唱でした。
英雄の生涯はこれもまた見栄を張ることのない高関の音楽作りの特徴が良く出ていました。冒頭からしばらくはちょっとしっくりしないところもありましたが、英雄の戦い以降音楽の流れや密度感が出てきましたね。ソロ・ヴァイオリンは三浦章広でしたが、音量と踏みこみはいいんですが、細かいニュアンスが欲しかったですね。
全体的に金管の精度と音色を更に求めたいなあと思いました。
Comments