東京オペラ・プロデュース 天国と地獄(地獄のオルフェ) Bキャスト 松尾/時任/東京ユニバーサル・フィル
東京オペラ・プロデュース 第71回定期公演 天国と地獄(地獄のオルフェ)古典的ギャグ、駄洒落、今の芸人さんの笑い、テレビ番組のパロディー、軽い下ネタ等をちりばめた台詞、芸達者なソリストたちの演技とあいまって楽しい舞台を作り出していました。小難しいことを考えずに素直に楽しめる舞台となっていました。やっぱりこういう演目を理屈ぬきに楽しめるのはなにより。松尾洋の演出は簡素な舞台装置と現代的な衣装と小道具、個々人の表情と動き、そして効果的な照明で見せるもので安心して楽しむことができました。
・ オッフェンバック : 天国と地獄(地獄のオルフェ) (歌唱:フランス語 台詞:日本語)
ジュピテール(神々の長) : 秋山隆典 オルフェ(音楽教師) : 石川誠二 ユリディス(オルフェの妻) : 松尾香世子 アリステ=プリュトン(地獄の王) : 二階谷洋右 世論 : 石井真弓 キュピドン(愛の天使) : 秋吉邦子 ジュノン(ジュピテールの妻) : 平川志保 ディアヌ(狩猟の女神) : 角野圭奈子 ミネルヴ(賢明の女神) : 宮本彩音 ヴェニュス(愛の女神) : 勝倉小百合 ジョン・スティックス(プリュトンの召使) : 岡戸淳 メルキュール(神々の使者) : 曽我雄一 マルス(戦いの神) : 白井和之 バッカス(酒の神) : 笹倉直也
ダンサー : 山口恭子/武田直美/岸田隆輔/本多一樹
時任康文指揮 東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団 東京オペラ・プロデュース合唱団 (合唱指揮:伊佐地邦治)
演出 : 松尾洋
2004年11月20日 15:00 なかのZERO 大ホール
ソリストたちは個々人のキャラクターを生かした歌と演技でたのしませてくれました。個々人すべてには触れませんが、なかでもユリディスを歌った松尾香代子は頭ひとつ抜けた素晴らしい演技と歌唱。伸びのある歌、コロラトゥーラの切れ味の鋭さ、高い声のコントロールの確かさ、ユーモアあふれる表現の思い切りの良さそしてぶりっこ的な弾けた演技と共に出色の出来栄え。2年前の当惑した家庭教師のジルダをも髣髴とさせてくれる素晴らしさ。この人は何度か聞いていますが、いつも水準の高くて素晴らしいですね。メルキュール役の曾我雄一の飄々とした歌と演技も面白かった。ジュピテール役の秋山隆典は軽薄な神々の長を好演。世論役の石井真弓も存在感を示していました。キュピドン役の秋吉邦子も明るく伸びのある声で役柄にぴったり。メルキュール役の曾我雄一は飄々とした演技と歌唱が面白い。
時任康文の指揮する東京ユニバーサル・フィルも生き生きと演奏で楽しませてくれました。軽い響きのよくのった音色が作品によくマッチしてしていました。テンポの設定も流れの良さと時に思い切ってテンポを上げてメリハリをつけていました。歌手との音量バランスもよく配慮されていました。欲を言うとリズムの切れと舞台上との一体感がもっとあると更に良かったかもしれません。合唱も明るく生き生きとした好演でした。
東京オペラ・プロデュースの次回公演は来年1月、
【2004/11/21 修正&追記】
「とてつもない誤解」と「幸せな間違い」を混同していたのを修正(コメント感謝)m(__)m。
「誤解」と「間違い」には注意しないと・・・(爆)。
Comments
ちなみに、「幸せは・・」はファルサ(1幕もの)で、「とてつも・・」は、2幕もののブッファです。
実は私も取り違えて、周囲に話していました。
すっかり日本語への訳し方の違いかと思い込んでおりました。
>実は私も取り違えて、周囲に話していました。
私だけでなくて安心しました(笑)。