えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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渡辺/レイサム=ケーニック/都響 定期Aシリーズ ショスタコーヴィチ/ムソルグスキー

ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番の実演に接したのは、ヤンソンス/ベルリン・フィルの来日公演で聞き手が唖然とするほど鮮やかに弾ききったヒラリー・ハーンの演奏以来。今日は竹澤恭子が弾く予定でしたが出産によるキャンセルの為、渡辺玲子が代役で登場する都響定期へ。
東京都交響楽団 第594回定期演奏会 Aシリーズ

1.ムソルグスキー歌劇「ホヴァンシチナ」第1幕前奏曲「モスクワ河の夜明け」
2.ショスタコーヴィチヴァイオリン協奏曲第1番イ短調作品77
休憩
3.ムソルグスキー(ラヴェル編)組曲「展覧会の絵」

ヴァイオリン渡辺玲子(2)

ジャン・レイサム=ケーニック指揮東京都交響楽団
(ソロ・コンサートマスター:矢部達哉)

2004年9月22日 19:00 東京文化会館 大ホール
まずは、ムソルグスキーのホヴァンシチナ前奏曲。各パートがくっきりと聞こえてくるクリアーで見通しが良い演奏。朝の幻想的な雰囲気はあまり感じられないものの、夜明けのイメージにはぴったり。

次は渡辺玲子を迎えて、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番。華やかさを抑えた充実感のある音色を武器に、丹念に歌われた第1&3楽章。低音域のこくのある音色に、熱っぽさとリズムの冴えを加えて奏でられた第2&4楽章。低音域から高音域まえ音色が全域できちんと統一されているのと、歌い口の確かさ、技巧的な部分での冴え。それまでの楽章のさまざまな要素があらわれる、長大な3楽章後半のカデンツァも本当に見事なものでした。レイサム=ケーニック指揮するオケはソリストにきちんと合わせた演奏でまずまず。ほんの少し腰が軽いのは指揮者の個性かもしれません。欲を言えばもう少しソリストと丁々発止とやりあうくらいの熱っぽさ(特に、第2&4楽章)があると、更に素晴らしかったと思います。

後半は展覧会の絵。ラヴェルとムソルグスキーの丁度真ん中を取ったスタンダードな演奏だったかなと。レイサム=ケーニックの棒はオーケストラを手堅くかつ見通し良くコントロールしていて、見栄とかはったりとか奇をてらったところのない誠実さが特徴。オケは艶と厚みのある弦を中心に良好なアンサンブルを展開していました。冒頭のはっきりとして危なげのないトランペットが印象的でした。ビイドロが低弦がやや軽い響きだったのと(これは指揮者の好みでしょう)、チューバソロに安定感が欠けたのが残念でした。東京文化会館で純粋なオーケストラコンサートを聴くのは久しぶりのような気がしますが、演奏者が演奏したそのままが聞こえるある意味怖いホールだなと思いました。
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