えすどぅあ

コンサートやオペラの感想を中心とした音楽日記になったかなあ・・・。

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マルフィージ/サンティ/N響 オーチャード定期 ヴェルディ/チャイコフスキー

ホールにはいって舞台上を眺めると、コントラバスを左手にずらりと一列に並べたサンティ流の対向配置。プログラム前半のヴェルディも含めて16型の振る編成で演奏されたN響オーチャード定期を聞いてきました。
N響オーチャード定期 第31回定期演奏会

1.ヴェルディ歌劇「ルイザ・ミラー」序曲
2.ヴェルディ歌劇「椿姫」第1幕 から ああそはかのひとか〜花から花へ
3.ヴェルディ歌劇「椿姫」第3幕 から 前奏曲
4.ヴェルディ歌劇「アイーダ」第3幕 から おお、わがふるさと
5.ヴェルディ歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲
6.ヴェルディ歌劇「シチリア島の夕べの祈り」 第5幕 から ありがとう、愛する友よ
アンコール
7.ヴェルディ歌劇「椿姫」第3幕 から さようなら、私の過ぎ去った日々よ
休憩
8.チャイコフスキー交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」

ソプラノアドリアーナ・マルフィージ(2,4,6&7)
ネルロ・サンティ指揮NHK交響楽団
(コンサートマスター:篠崎史紀)
2004年9月12日 15:30 Bunkamura オーチャードホール
サンティの指揮を聞くのはもう5年前に読響にヴェルディ序曲集&ブラームス:交響曲第1番の演奏会以来だろうか(今日のプログラム構成と似てますね(笑))。

サンティの棒にかかるとオーケストラが無理なく伸びやかに鳴っています。特に弦楽器の音ののびやかさと美しさは素晴らしいものでした。メロディックな部分でのツボをきちんと抑えた歌わせ方やふやけた感じはまったくないキレと重量感を両立したフォルティッシモの一撃など。前半のヴェルディでのオペラのドラマ性を大げさな表現をせずに、充分に感じさせてくれましたし、マルフィージの伴奏でも歌に実にうまく付けていながら(非常に歌いやすいと思うなあ、あの指揮は)、決してソリストをスポイルすることなく表情豊かな音楽を奏でておりました。

マルフィージは透明感と硬質感の両方を感じる声質。椿姫の花から花へでのコロラトゥーラ技術も問題ないし、声量に関しても3階最後列まで十分に届いており全く問題がない。aただ、やや歌い回しにも硬さが感じられるのが惜しい。今日の演奏ではじっくりと聞かせる、アイーダからのアリアとアンコール歌われた椿姫第3幕のアリアが情感がよく出ていました。まだ若いひとですので今後の成長が楽しみな歌い手です。

後半はチャイコフスキーの悲愴。前半同様に無理なくかつ明るめの音色で、よく歌われた演奏だったと思います。第1楽章のAdagioからAllegroへ入るときの迫力、あっさりと奏でられた第2楽章、オケを自然に鳴らしつつスケール豊かな第3楽章。第4楽章の中程での自然な高揚と転換点を示すティンパニのを伴うフォルティッシモの一撃。その後の下降線をたどる音楽も最後のコントラバスのピツィカーとまで奇をてらった所のない自然さ。場面転換等での休符の意味深さも印象的でした。深刻な暗さを求める向きには不満はあるかもしれませんが、曲を素直に楽しむことが出来る機器応え充分な演奏だったと思います。

だれか、サンティの指揮でイタオペを上演を企画しないですかねえ、一度も接したことがないので・・・。
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